MUSIC 心地よい音楽を。

バイオリニスト、アレンジャー 須原杏さんが選ぶ土曜の朝と日曜の夜の音楽。vol.4November 28, 2025

November.28 – December.4, 2025

Saturday Morning

プロデューサー、シンガーermhoiさんが選ぶ土曜の朝と日曜の夜の音楽。vol.4
Title.
Concerto pour piano et orchestre No. 1 en mi mineur, Op. 11: II. Romance – Larghetto
Artist.
Jean-Marc Luisada , Quatuor Talich
最終週になってしまいました。今回は「ゆったり時間のある土曜の朝」をテーマに選曲を。11月の1週目で叶わなかった「コーヒー片手に……」の朝、いよいよ! クラシックの登場です。10年以上前、世界的ピアニストのジャン=マルク・ルイサダ来日の際、オーケストラと共演前の練習として一緒に音を出させたいただいたことがありました。
 
「ショパン:ピアノ協奏曲第1番 2楽章」 ジャン=マルク・ルイサダ。本来はソロピアノとオーケストラのための作品ですが、ソロピアノと弦楽四重奏に編曲された版があります。オーケストラ版は聴いたことがありましたが、室内楽版はなかなか音源も少なく、演奏される機会もあまり無く、当時初めて触れたこの編曲にとても感動した記憶があります。
 
オーケストラ版から音が削ぎ落とされても、曲のキャラクターが小さくなることがなく、むしろ和声の美しさや展開が心地よく、ピアノソロの表現も更に引き立ちます。曲の初めは緊張感がありますが、少し中煎りの珈琲を飲みながら、「今日の天気はどうだろう?」ぐらいの気持ちで聴くと、とても幸せな気持ちになれます。
アルバム『Chopin: Piano Concerto No. 1 / Dvorak: Piano Quintet No. 2』収録。

Sunday Night

プロデューサー、シンガーermhoiさんが選ぶ土曜の朝と日曜の夜の音楽。vol.2
Title.
I Only Ever Loved Your Ghost
Artist.
Jens Kuross
1日の終わり、良い夜もあれば最悪な夜もありますよね。子供にとっての「子守唄」、大人にとっては「夜想曲」になるのでしょうか? こうも生きていると、夜を想う曲はよく知っているけれど、大人だって「子守唄」で寝られたら最高です! 今日という1日に、とっても温かい、ふわっふわな布団をかけてくれるような「子守唄」がJens Kuross の「I Only Ever Loved Your Ghost」。
 
私の“子守唄ストック”から11月らしい曲を選びました。10年ぐらい聴いている曲ですが、本人のことは分かるような分からない情報しか無く、正体不明でしたが、つい数か月前にようやくデビューしてアイダホ州を拠点に活動する家具職人だったことを知りました。うっとり聴くもよし、しくしく聴くもよし、うとうと聴くもよし。体を労って良い12月を迎えてください! ありがとうございました。
EP『Art! at the expense of mental health, Vol. 1』収録。


バイオリニスト、アレンジャー 須原 杏

須原 杏
レコーディング、ライブをメインに幅広いジャンルで活動している。 弦の多重録音やエフェクターを使ったアレンジなど意欲的に新しいストリングスサウンドの探求に取り組み、多方面のアーティストとクリエーションをともに行う。 2012年よりASA-CHANG&巡礼メンバーとして活動。‘25年くるりホールツアー2025、映画『国宝』 オーケストラリーダー、TK from 凛として時雨ツアー、JJJ(Fuji Rock Festival)、STUTS tiny desk concerts Japanなどに参加。11月より森山直太朗「弓弦葉」ツアー帯同。ASA-CHANG&巡礼「海峡2025 (唄編) 、SENAKA2025 (Dedicated to rei harakami)」10月より配信中。

instagram.com/anzu_violin

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