台湾スイーツ食べ比べ

台湾の夏に欠かせない飲みもの「緑豆沙牛奶」を味わうならこの2軒。【台湾スイーツ食べ比べ】July 21, 2025

容赦ない日差しが照りつける台湾の夏。この時季に欠かせない飲みものといえば、緑豆スムージーにミルクを加えた「緑豆沙牛奶」。医食同源の考えが根付いた台湾。緑豆は体に溜まった余分な熱を取り除くといわれ、夏に欠かせない食材となっている。専門店が数多くあるのは、台湾の中南部。北部には少なかったが、ここ数年は少しずつ増えている。従来の緑豆沙牛奶は煮込んだ緑豆にミルクと氷を加え、ミキサーにかけている。このため、ちょっぴりザラッとした独特な舌触りが特色となっている。今回紹介するのはこれよりも飲み心地が滑らかで、シェイクのような新食感がウリの2軒。どちらも飲みやすいと評判だ。なお、写真は撮影用で、通常は環境保護のため、紙コップを使用している。
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緑豆味のクリームのせも! 夜市近くの人気店。

 「大好物は緑豆沙牛奶」というカップルが開いた店。台湾各地で飲み歩き、試行錯誤を半年繰り返して理想の味を完成させたという。おいしさの決め手になっているのは緑豆をじっくりと煮込んでいること。これにより緑豆の皮の部分がやわらかくなり、さらっとした食感が生まれている。このほか、緑茶や紅茶の上に緑豆味のクリームをかぶせた「緑豆奶蓋」も人気。近年、台湾では海塩やチーズ粉入りのクリームをのせたドリンクが流行しているが、こちらはその緑豆味バージョン。ほのかに緑豆の香りがするクリームとお茶がマッチし、一度飲むとクセになる味わい。店舗は士林夜市の近くにあるので、散策がてらに立ち寄ってみたい。夜遅くまで開いているのもありがたい。

頃刻間−綠豆沙牛奶專賣店
チンクーチエン・リュィトウサーニョウナイツワンマイディエン

台北市士林區小北街1號 ☎02−2881−8619 16:00~24:00 無休 緑豆沙牛奶は60元~、緑豆奶蓋緑茶は60元~。

頃刻間−綠豆沙牛奶專賣店 チンクーチエン・リュィトウサーニョウナイツワンマイディエン
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ふわふわ食感がたまらない話題の緑豆沙牛奶。

大勢の若者で賑わう赤峰街にあり、多いときは一日600杯以上の売り上げがあるという人気店。看板の緑豆沙牛奶は緑豆を煮込んでから冷蔵庫で冷やし、その後にミルクを加えている。口当たりは思っている以上に滑らか。飲み心地はやわらかな真綿布団に寝転がったような気分に喩えられ、「綿眠豆沙牛乳」と名付けられている。ミルクは台南郊外の柳営にある小規模農家から仕入れたもの。甘くてコクがあり、これがおいしさをより一層引き立てる。なお、ミルクが苦手な場合はオートミルクを選ぶこともできる。オリジナルのトッピングである緑豆味のミニ団子「緑豆丸」も名物となっている。こちらは24時間煮込んだ濃厚な紅茶を用いたミルクティー「夕紅濃乳」に加えるのがおすすめ。

躺平・綠豆沙牛乳專門店
タンピン・リュィトウサーニョウルーツワンメンディエン

台北市大同區赤峰街47巷12號 ☎02−2550−6068 11:30~20:00 土日13:00~21:00 無休 綿眠豆沙牛乳60〜70元、夕紅濃乳70元、緑豆丸は10元。

躺平・綠豆沙牛乳專門店 タンピン・リュィトウサーニョウルーツワンメンディエン

文/片倉真理 写真/片倉佳史


台北在住ライター・コーディネーター 片倉 真理

片倉真理
1999年から台北に暮らす。台湾に関する書籍の執筆、製作のほか、雑誌のコーディネートなども手がける。台湾各地を隈なく歩き、料理やスイーツから文化、風俗、歴史まで幅広く取材。著書に『台湾探見』、共著に『台湾旅人地図帳』(共にウェッジ)、『食べる指差し会話帳』(情報センター出版局)など。

instagram.com/marikatakura

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