台湾スイーツ食べ比べ

台北で進化したマカオ由来のエッグタルト。【&Taipei 台湾スイーツ食べ比べ 】January 20, 2025

 エッグタルトは台湾では「蛋塔」と呼ばれる。ポルトガルで生まれ、マカオで改良されたものが台湾に持ち込まれ、1998年に大ブームが巻き起こった。この年は台湾のケンタッキーでも販売され、今もなお、人気商品として君臨している。時代は下り、2024年から再びエッグタルトのブームが到来。最近の流行は従来のものとは異なり、「千層蛋塔」と呼ばれるもの。デニッシュパンの製法をタルト生地に応用したもので、サクサク食感の生地が幾層にも重なり、花びらのような形をしているのが特色。有名ベーカリーが次々と売り出すようになり、デザート界を席巻する勢いだ。今回はエッグタルトの専門店『COMEME』の「千層蛋塔」と、豆漿店『曾家豆漿』の従来型のものを食べ比べしたい。
台北で進化したマカオ由来のエッグタルト。【&Taipei 台湾スイーツ食べ比べ 】

種類豊富な「千層蛋塔」が楽しめる専門店。

 台湾各地に9店舗をもつ人気ブランド。内外のエッグタルトを食べ歩いて研究を重ねたというタルトは、フランス産のイズニーバター、日本産の小麦粉を使用。香りが良く、サクッとした食感の生地に、とろりとしたカスタードクリーム餡が入っている。好評なのはプレーン味と半熟ベイクチーズのせ。そのほか、阿華田(ココアと麦芽の飲料)味やチョコ味、ピスタチオ味(台北A11店限定)などもある。さらに期間限定でプリンのせやオレンジのせなど、変わり種を売り出すことも。ちなみに、焼き上がるとすぐに売り切れてしまうので時間のチェックは忘れずに。プレーン味は70元、ピスタチオ味は100元、これ以外は80元。なお、クロワッサンのような生地を用いた「可頌蛋塔」もある。

COMEME
コメメ

台北A11店/台北市信義區松壽路11號B2(新光 三越 台北信義新天地A11)☎なし 11:00~21:00 無休 焼き上がりは11:30、15:30、18:30。

COMEMEコメメ
台北で進化したマカオ由来のエッグタルト。【&Taipei 台湾スイーツ食べ比べ 】

並んでも食べたくなる真夜中のエッグタルト。

  MRT中山國小駅近くにある豆漿店。豆漿のほか、焼餅(中華パイ)や生煎包(焼き包子)などを扱う店として25年前に創業。夜間の営業のみだが、ここ数年、評判が評判を呼んで、エッグタルトが爆発的な人気となっている。深夜まで行列は絶えず、1日平均1000個もの売り上げがあるという。店主の曾立豪さんはベーカリーを経営していたことがあり、洋菓子作りの経験者。ここではコストを顧みず、良質なバターとミルク、そして特注のパイ生地を使用し、軽やかな食感で、甘さも控えめなものを作り上げている。プルプル食感のカスタードクリーム餡がたっぷりと入っているが、夜に食べても胃に負担は感じられない。テイクアウトのみなので、目の前の公園やホテルなどで味わいたい。

曾家豆漿
ツェンチアトウチアン

台北市中山區錦州街123號 ☎02‒2560‒1927 17: 00~翌1:20 日月休 1 個40元、2025年に価格調整の予定あり。

曾家豆漿ツェンチアトウチアン

文/片倉真理 
※この記事は、No. 134 2025年2月号「&Taipei」に掲載されたものです。


台北在住ライター・コーディネーター 片倉 真理

1999年から台北に暮らす。台湾に関する書籍の執筆、製作のほか、雑誌のコーディネートなども手がける。台湾各地を隈なく歩き、料理やスイーツから文化、風俗、歴史まで幅広く取材。著書に『台湾探見』、共著に『台湾旅人地図帳』(共にウェッジ)、『食べる指差し会話帳』(情報センター出版局)など。

instagram.com/marikatakura

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