台湾スイーツ食べ比べ

食感も甘さも想像以上に軽やかなドーナツ。【&Taipei 台湾スイーツ食べ比べ 】November 18, 2024

 台湾のドーナツは「甜甜圏」と呼ばれ、様々な種類がある。昔ながらの屋台でよく見かけるのは、ふわっとした食感で砂糖をまぶしたドーナツと、「雙胞胎」(双子)という名の 2つの揚げパンがくっついた形状のもの。また、台湾南部の屏東県には原住民族のルカイ族やパイワン族が作る粟を原料としたドーナツもある。これはもちっとした食感で、台北では保安宮の近くにある『美濃泰涼』という店で味わえるが、今回紹介するのは木目模様のドーナツが看板の『MY 幾圈 甜甜圈專賣店』。こちらはサクサクとした食感がウリ。もう一軒は日本人観光客の間でもファンの多い『台灣人ㄟ甜甜圈』。カリッと揚げられたドーナツはやみつきになるおいしさだ。老若男女に愛される2軒を食べ比べしてみよう。
食感も甘さも想像以上に軽やかなドーナツ。【&Taipei 台湾スイーツ食べ比べ 】

自家製発酵箱を用いた木目模様のドーナツ。

 近年、各地で木目模様の焼きドーナツを見かける機会が増えている。なかでも、ここは晴光市場近くにあり、材料から作り方まで、こだわりのある店。自社開発したという発酵箱を使用し、一定の温度と湿度のなかでゆっくりと生地を発酵させていく。焼き時間を含めると、完成までには1時間を要するという。聞けば、店主は子どもの頃に祖父の家にある木の机からこっそりお菓子を取り出していたそうで、そのときの香りが忘れられず、木の香りがするドーナツを手がけるようになったという。焼き上がる際には独特な芳香が漂う。全6種類で、プレーン味やフランス産ココアパウダーを用いたチョコ味のほか、小豆を練り込んだものも人気。海苔と醤油をかけた「たこ焼き風」もある。

MY 幾圈 甜甜圈專賣店
マイチーチュエン・ティエンティエン チュエンツワンマイディエン

台北市中山區雙城街10巷11號 ☎0985‒975‒098 12:00~20:00 無休 1 個40元。テイクアウトのみ。

MY 幾圈 甜甜圈專賣店マイチーチュエン・ティエンティエン チュエンツワンマイディエン
食感も甘さも想像以上に軽やかなドーナツ。【&Taipei 台湾スイーツ食べ比べ 】

東區に新店舗が登場。行列が絶えない人気店。

 台北市内でドーナツ店といえば、真っ先に挙げられるのがここ。2002年に晴 光市場近くで創業。その後、台北駅裏にも店舗を設けていたが、こちらは今夏に繁華街の東區へ移転。大きなビルの奥まった場所にあるが、ちょっとしたイートインスペースが設けられているのがありがたい。ドーナツの種類はいくつかあるが、看板商品は「原味(プレーン味)」。外側がカリッと、内側がフワッとした独特な食感で、大量のミルクパウダーと粉砂糖がまぶされている。不思議なのはしっかりと揚げられているにもかかわらず、油っこくなく、かつ爽やかな甘さであること。しかも時間が経ってもベタッとしないのがウリ。同僚や家族に配るのか、たくさん購入していく人が少なくない。

台灣人ㄟ甜甜圈
タイワンレンダティエンティエンチュエン

忠孝店/台北市大安區忠孝東路三段216巷 3 弄 12號 ☎0958‒900‒138 11:00~19:10(雨天の場合~19:00)無休 1個25元。

台灣人ㄟ甜甜圈タイワンレンダティエンティエンチュエン

文/片倉真理 
※この記事は、No. 132 2024年12月号「&Taipei」に掲載されたものです。


台北在住ライター・コーディネーター 片倉真理

1999年から台北に暮らす。台湾に関する書籍の執筆、製作のほか、雑誌のコーディネートなども手がける。台湾各地を隈なく歩き、料理やスイーツから文化、風俗、歴史まで幅広く取材。著書に『台湾探見』、共著に『台湾旅人地図帳』(共にウェッジ)、『食べる指差し会話帳』(情報センター出版局)など。

instagram.com/marikatakura

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