台湾スイーツ食べ比べ
卵の黄身入りも! 個性豊かな台湾の月餅。【&Taipei 台湾スイーツ食べ比べ 】October 21, 2024
70年以上続く家族経営の小さな郷土菓子店。
台北市の老舗再生プロジェクトにより改装されたモダンな外観の店。奥にある工房では3代目の周揚志さんとご両親が生地をのばしたり、捏ねたり、餡を包んだりと、休みなく作業を続けている。寺廟の祭時に用いられるお供え物や結婚式の引き出物を依頼されるケースが多いというが、店頭にはバラで購入できるものも並ぶ。写真の「鳳梨和生餅」はポロポロとこぼれ落ちない厚みのある生地に冬瓜入りのパイナップル餡が加えられていて、干しブドウがアクセントになっている。直径は11㎝ほどで、表面には満月とウサギが描かれている。そのほか、油っぽくない弾力性のある生地を用いた正方形の月餅も美味。カカオ味や抹茶味、アールグレイティー&鉄観音茶味など、変わり種もある。
イーダーフーツー
台北市大安區潮州街149號 ☎02−2394−9889 10:00~21:00 不定休 写真右は中サイズ(95元)、左は小サイズの鳳梨餅(40元)。
台湾人なら誰もが知る名店。種類豊富な月餅。
1894年に創業した老舗。素材を厳選し、確かな技術で作られた月餅は上品な味わいと評判だ。中秋節になると長蛇の列ができる人気店で、扱う月餅も30種類近くある。写真は左から緑豆餡が入ったミニ月餅「綠豆小月餅」、黄身を加えた「綠豆蛋黄酥」、タロイモ餡の「香芋酥」、サクサク生地に小豆餡と黄身が入った「酥皮紅豆蛋黄酥」。このほか、松の実入りの棗餡「棗泥松子酥」もおすすめだ。ニュージーランド産バターを使用した月餅は、軽やかな食感とクリーミーな甘さが自慢。なお、黄身入りは食べ慣れないという日本人の声もよく耳にするが、適度な塩気がいつのまにかクセになる。レンジでほんのり温めると、より風味が増すのでお試しあれ(ただし温めすぎには注意)。
タイペイリーチー
台北市中山區長安東路二段67號 ☎02−2506−2255 9:00~21:00 無休 綠豆小月餅1個60元、香芋酥や酥皮紅豆蛋黄酥は1個65元。
文/片倉真理
※この記事は、No. 131 2024年11月号「&Taipei」に掲載されたものです。