音楽喫茶の〝いい店〞案内。
昭和と青春の残り香を醸すロック喫茶。名古屋・金山『金山ブラジルコーヒー』:音楽喫茶の”いい店”案内。vol.11December 22, 2024
編集者の山村光春さんが考える、今こそ訪れたい"いい音楽喫茶"とは? 山村さんの考察とともに、15の喫茶店とその店を象徴する一枚を紹介。第11回目に登場するのは、名古屋・金山『金山ブラジルコーヒー』。
『金山ブラジルコーヒー』
喧騒を逃れ、時空を超えた安息の地へ。
バンドマンが待ち合わせし、コーヒーとタバコを燻らせながら思い思いに過ごすアジトのような……往年にあったロック喫茶の風貌が、未だ色濃く残る稀有な店。1971年創業の喫茶店を、ミュージシャンでもある角田健太さんが継承。目指したのは『いいとも』のように頑張りすぎず、長く続けることで価値となるお店。40席ほどある広い客席に流れる音楽は、ロックやソウルから南米音楽や室内楽まで幅広く、月10回ほど行われるライヴ目当ての客も。
『金山ブラジルコーヒー』を象徴する一枚『Chango Sin Arreglo』 Chango Farías Gómez
店主の角田さんがバイトの先輩から教わり、一気にハマったアルゼンチンのミュージシャン。後に南米へと旅した際、あるライヴで偶然、本人と遭遇したという運命のエピソードも。
SHOP DATA
金山ブラジルコーヒー
名古屋市中区金山4−6−22 金山コスモビル1F ☎052−321−5223 9:00~21:00(金~22:00)土8:00~22:00(日祝~18:00) イベント開催日は変更あり 年末年始休
photo ,text: Mitsuharu Yamamura
編集者・コピーライター 山村 光春
雑誌『オリーブ』のライターを経て、広告や雑誌の編集・執筆を手がける。『眺めのいいカフェ』(アスペクト)、『おうちで作れる カフェのお菓子』(世界文化社)など著書多数。「やさしい編集室」「京都芸術大学」講師。東京と福岡の二拠点生活。