音楽喫茶の〝いい店〞案内。
緻密に計算されたジャズ空間で音に身を委ねる。東京・四谷『ジャズ喫茶 いーぐる』:音楽喫茶の”いい店”案内。vol.5December 16, 2024
編集者の山村光春さんが考える、今こそ訪れたい"いい音楽喫茶"とは? 山村さんの考察とともに、15の喫茶店とその店を象徴する一枚を紹介。第5回目に登場するのは、東京・四谷『ジャズ喫茶 いーぐる』。
『ジャズ喫茶 いーぐる』
緻密に計算されたジャズ空間で音に身を委ねる。
ジャズの音色に誘われ地下に潜ると、温かさの中に一抹のストイックさを持つ隠れ家のような空間が。創業から57年、多くのジャズファンが通う名店になったのは良質な選曲があってこそ。いい曲を、心地よい流れになるよう考えてセレクトする様はDJさながらだ。鎮座する〈JBL〉のスピーカーは、リラックスして聴けるまろやかな音質が特徴。理想とする"誰もが居心地の良い店"にするために、必要不可欠な存在として音を鳴らし続けている。
『ジャズ喫茶 いーぐる』を象徴する一枚『Worth While Konitz』Lee Konitz
サックス奏者、リー・コニッツの日本限定アルバム。店をオープンした当時から注目していたミュージシャンで、1993年の来日時には、後藤さん自らインタビューも行ったそう。
SHOP DATA
ジャズ喫茶 いーぐる
東京都新宿区四谷1−8−6 ホリナカビルB1 ☎03−3357−9857 11:30~23:20(土12:00~) 日祝休 ジャズ評論家としても活動する店主の後藤雅洋さんの選曲は有線でも放送中。
photo : Jun Nakagawa
編集者・コピーライター 山村光春
雑誌『オリーブ』のライターを経て、広告や雑誌の編集・執筆を手がける。『眺めのいいカフェ』(アスペクト)、『おうちで作れる カフェのお菓子』(世界文化社)など著書多数。「やさしい編集室」「京都芸術大学」講師。東京と福岡の二拠点生活。