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春を味わう、蕗味噌と味玉のお弁当。写真と文:仁平里帆 (『からだと心整う台所ごよみ365日』著者) #1March 02, 2026

少しずつ大地が芽吹きはじめる3月。

寒い冬の間、植物が土の中で芽吹くときをずっと静かに待っていたのかと思うと愛おしくて堪らなくなる。

簡単にできる、蕗味噌と味玉の春のお弁当。写真と文:仁平里帆庭先で落ち葉の間からちょこんと穂先を出している蕗の薹。
庭先で落ち葉の間からちょこんと穂先を出している蕗の薹。

この時季の私の幸せな日課は、玄関の掃き掃除の後に、庭先でちょこんと穂先を出している蕗の薹(ふきのとう)を数えること。

蕗の薹と目が合ったら大事に摘み取り、蕗味噌にして小瓶に保存しておく。この季節に必ず作る一品だ。

簡単にできる、蕗味噌と味玉の春のお弁当。写真と文:仁平里帆 さっと茹でた蕗の薹を包丁で細かく刻む。
さっと茹でた蕗の薹を包丁で細かく刻む。

軽く茹でて、ザクザク刻んで油で炒める。私は甘めの味付けが好みなので、味噌、砂糖、みりん、酒を入れて好みの固さまで練る。この季節のお弁当のおかずにもぴったりだ。

簡単にできる、蕗味噌と味玉の春のお弁当。写真と文:仁平里帆
刻んだ蕗の薹と、味噌、砂糖、みりん、酒を鍋の中でクツクツ練り合わせる。

お弁当箱にお米を敷き詰めて、その上に蕗味噌をのせる。作り置きしておいた味玉を半分に切ってのせ、茹でた青菜で隙間をうめる。青菜はごま油と塩で軽く和えるだけで立派なおかずになる。

簡単にできる、蕗味噌と味玉の春のお弁当。写真と文:仁平里帆
お気に入りのお弁当箱へ詰めて春のお弁当の出来上がり。左は息子の、右は私のお弁当箱。

春の苦味は、冬の間眠っていた私たちの細胞をやさしく目覚めさせてくれる。

recipe
蕗味噌

材料
蕗の薹…8〜10個
油…約大さじ1 菜種油(ごま油でも美味しい)
味噌…大さじ2
みりん…大さじ2
酒…大さじ2
砂糖…大さじ1

〈作り方〉
1. 蕗の薹を洗い、さっと茹で、ザクザク刻んでフライパンで蕗の薹に油を纏わせるようなイメージで一緒に炒める。

2. 別の器に分量の味噌、みりん、酒、砂糖を混ぜ合わせておく。

3. 1の蕗の薹がしんなりしてきたら2を合わせ、調味料を入れて好みの固さまで炒めながら練る。

recipe
味玉

材料
卵…10個
みりん…100cc
醤油…100cc
酒…80cc
砂糖…大さじ2
鰹節…約6g

〈作り方〉
1. 鍋に湯を沸かし、卵を入れて中火で8分茹でる。すぐに冷水で卵を冷やしながら殻をむく。

2. 小鍋に卵以外の材料を入れて煮立たせる。煮立ったら鰹節をざるでこし、粗熱を取っておく。

3. 1と2を保存袋に一緒に入れて冷蔵庫で半日〜1日程置いたら完成。


『からだと心整う台所ごよみ365日』著者 仁平里帆

仁平里帆
にへい・りほ/1990年生まれ、埼玉県出身。古家具屋を営む夫と、4歳の息子と共に栃木県益子町の自然豊かな里山で暮らす。二十四節気や七十二候、月の満ち欠けといった暦を手がかりに、台所からうまれる景色や、日本の素朴な美しさを大切にしている。著書に、『からだと心整う 台所ごよみ365日』(エクスナレッジ)。

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