日傘作家 ひがしちか
April 23, 2018 リトルモアのリトルモア ひがしちか
リトルモアのリトルモア
出版社リトルモアが1998年 – 2003年まで出していた読み物雑誌。ほんの少しだけ前なのに「昔」はこんなにも面白かったのか!と。背中を反り返し後ずさり。水木しげる大先生の貸本屋時代の漫画が載っていたり、鈴木清順監督の人生相談があったり、今は亡きDUNEの編集長の林氏の手稿。そうそうたる方々のインタヴューや対談、写真、イラスト、執筆エネルギーを束ねたこんな貴重な書物があったなんて。時間をかけて読む。わかりにくいその「何か」を掴みたいと興奮する私。そうか!SNSと逆なんだ。わかりにくく、瞬時にだれとも共感できない。これは一体なんなんだ。というひとりぽつんと立たされる時間。私にとって、超近代ブンカの勉強タイムである。しばらく大量の文字を紙の上で読んでなかったから、渇望していたのか、じわじわ満たされる感じと共に、ああ、こんな大先輩方がいるなら!どんどん戦おう。私の中の蛮勇がむくむくと刺激される。

February 05, 2018 イエルカ・ワインさんの薪ストーブ ひがしちか
イエルカ・ワインさんの薪ストーブ
近頃気になっていることといえば、「火」。
先日引っ越してきたばかりのここは、標高1,170メートルの山奥。住み始めてから連日マイナス10度前後が続き、暖をとることは重大事。小枝を拾って、薪割りをして、手と時間をかけて、大切な「火」をありがたく思う毎日。その火が燃えているのは、長野在住のイエルカさんが作る珠玉の薪ストーブの中。このストーブの素晴らしさと同じくらいに心を惹かれたのは、イエルカさんご夫婦の人間力。蝶の蛹を見ては「自然の造形美は完璧ね!」とおふたりで目を見合わせたり、「70代をどう生きてやろうかすごく楽しみなの!」と奥様が少女のように話してくれたり。私たち家族は慣れない暮らしに右往左往しながらも、大先輩の存在がストーブの暖かさと共に生きる情熱までもじんわりと与えてくれる。

October 16, 2017 2018 手帳の旅 ひがしちか
2018 手帳の旅
私の頭の中はいつもカオス。空想メモに、今夜のレシピ、何層もの仕事の密林スケジュール。手帳難民のわたくし。来年こそは!と完璧な仕事の相方(手帳)に出会いたい。私が手帳に求めていることを分析した結果、カスタムできるシステム手帳に白羽の矢が。バーティカル式の月間ダイアリーを見つけた時の喜びはひとしお。これで諸問題が解消されるーと期待大。レフィルは4社のものをミックスに。手帳買うと仕事のやる気が最大限になるのはなぜ!? 未来を整理することは、終わりのない仕事へのすっきり感を演出してくれるのかしら。

July 06, 2017 奥深き ミョウガ ひがしちか
奥深き ミョウガ
ビールのあてには納豆と茗荷。もう少し、もう少し…と量が増してゆき1/2から1本へ!もう中毒ですね。カレーのトッピングに欠かせなく、茗荷の天ぷらはもちろん、甘酢漬けに醤油漬け…茗荷を食べると忘れるって言うけれど、もう嫌なことは全部忘れたわ。大いに感謝。そうそう「抱き茗荷」という家紋もあるそうで、昔は家で2~3の家紋を持っていたと聞いて、だったら私も背負いたいです!落語の「茗荷宿」を聞きながら、この夏は熊本に行くので、茗荷の葉でくるむという「茗荷まんじゅう」に思いを馳せる。ひと夏の恋かしら。ミョウガマジック!

May 08, 2017 純喫茶 思いつき ひがしちか
純喫茶 思いつき
出張先でオーバー70歳の4姉妹が営む喫茶店があると聞き、早起きして、どうしても営業中には見えない扉を開けた。霜降り(バターとお砂糖)と特製りんごジャムのトースト、ミーコー(ミルクコーヒー)を頂く。ずっと笑いかけてくれる店主のアキコさん。お父様亡き後1人で7男7女を育てたお母様が“思いつき”で開業した店を手伝い、姉妹と受け継いで60年。「お嫁に行かず最期まで母の面倒見てくれたの……」と涙目になる妹のハルエさんの横で「私のんきやね〜ん」と笑う。船大工さんが作ったという店内も素敵。見えなくなるまで見送ってくれる愛しさよ。涙と笑いに人生を学んだ朝食タイム。
