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私が惹かれる「朝」の時間。 写真と文:橋口菜花 (『TONE』店主) #1April 04, 2025
はじめまして。
私は普段、世田谷区駒沢にある『TONE(トーン)』というカフェで働いています。このコラムでは、お店での出来事や対話、些細な日常を通して自分が感じていることや思っていることを書いていこうと思います。
お付き合いいただけたら嬉しいです。

「朝は好き?」「朝に飲むコーヒーは好き?」
先日、こんな会話をしたのを思い出した。
この質問に対しての私の答えは対照的だった。会話のほんの一部分なのでその時はなんとも思っていなかったのだが、今思い返すとちょっと面白い。
私は愛してやまない猫5匹を飼っている。出勤時間が早いこともあり、猫たちははまだ寝ていて、ものすごくかわいい寝顔で誘惑してくる(これを書いている間も膝の上で寝ている)。
「ああ、一緒に寝ていたいな」というのが本音ですぐには動きだせない。
そのせいで、毎日家を出るまで慌ただしく、人の多い時間帯の電車に揺られる朝が日常。朝が好きかと聞かれても、慌ただしく過ごしているせいで、あまり好きではないと思ってしまう。イメージの問題だと思うのだけれど、「朝に飲むコーヒー」が好きなのは特定の感覚的な快適さを感じるからなのかもしれない。
例えば、開店前の静かな店内に広がるコーヒーと焼きたてのスコーンの香りは、慌ただしい朝の日常を一気に吹き飛ばし、リフレッシュさせてくれる。それが自分自身のスイッチでもある。
朝の駒沢公園だとか、お店から見える景色は、どこか空気が澄んとしていて穏やかな気持ちになる。
お店に入る朝の日差しは、『TONE』の良さでもあり、独り占めしたいとなるくらい気持ちが良い。

つまり、朝そのものが好きではなくても、「朝の時間帯」のコーヒーだとか日差しといった要素が、身体的にも精神的にも快適さや気持ちの良い波長を与えてくれていて、結果的に好きと感じる。
朝から働くことがどんどん楽しくなっている。まんまと、朝という時間に魅了されているというわけ。
edit : Sayuri Otobe
『TONE』店主 橋口菜花
