&EYES あの人が見つけたモノ、コト、ヒト。
渋谷の打ち上げを抜け出して、長野のネカフェで不安な夜。思いつき、ひとり旅2。写真と文:祷 キララ (女優) #2April 13, 2026
去年の夏、私の身体は疼いていた。
踊りたい。
上手くなりたいというより、人間としての原始的な感覚を取り戻したい!という直感だった。
ある日、Instagramのおすすめに流れてきた投稿に目が止まった。
「大自然の中で五感を研ぎ澄まし、身体と心を解放する」
ダンスキャンプの広告だった。
経験不問。長野の里山。2泊3日。投稿主は以前から惹かれていたダンサーの柿崎麻莉子さん。
運命!
はやる気持ちでサイトへ飛ぶと、応募締め切りの日はもう過ぎていた。
無念。
そもそも、ダンスキャンプ初日の夜は、渋谷でドラマの打ち上げの予定があった。色々なタイミングが合わなかったのだ。
でも。
なんだか今、私はこのキャンプに行かなくてはならない気がする。諦められなかった。勇気を振り絞り、主催者の方にメッセージを送った。ダメで元々!
結果、満員で参加は叶わなかった。しかしキャンセル待ちを受け付けてもらえた。キャンセルが出ず今度こそ諦めた。けれども直前になって突然キャンセルが出た!あわただしく運命が味方して、私はダンスキャンプに途中参加できることになった。
打ち上げに参加したその足で夜、長野へ行き1泊し、翌日の早朝に移動して最寄駅でピックアップしてもらい、2日目の朝のクラスから合流する。
必要そうなものを大きなかばんにとにかくつめこみ家を出た!
打ち上げの一次会が終わると、挨拶を済ませて渋谷駅へ。山手線から新幹線へ。汗だくのまま、ときめいていた。今夜、長野で眠るんだ。

新幹線に乗り込んで息を整える。ホテルを探し始める。そして絶句する。その夜、長野駅のまわりの数多ある宿泊施設は、ホステルも含めて一部屋も空いていなかった。
自分の浅はかさに絶望。体は刻々と長野へ運ばれてゆく。
……!ネットカフェ。
肌寒い長野をずんずん、ずんずん歩く。私はネットカフェデビューを果たすことにした。
恐ろしいことに、ネットカフェもほぼ満席だった。しかしラッキー。鍵付きの個室が1部屋空いていた。そびえ立つマンガ棚、タイピング音、人の気配。そわそわと店の奥へ。案内されたフルフラットの部屋に入室し、緊張と安堵が爆発してマットの床に倒れ込んだ。
シャワールームで汗を流して、ドリンクバーへ。ベンチに座ってコーンスープを啜る。隣に座った知らないおばあさんと、静かに時間を共有する。
明日から、どんな日々が待っているだろう。初心者だし、知り合いもいない。途中参加は私だけだ。不安は絶えなかった。しかしあまりに疲れていた。部屋に戻り、どこかから漏れてくる通販番組の音を聴きながら、あっという間に眠りに落ちた。
そして翌朝、寝坊した。最悪な気持ちでパウダールームへ。焦りすぎて、ヘアアイロンでおでこを思い切り火傷した。
薄暗い中を長野駅まで走り、なんとか間に合った!と思ったら、電車を間違えた。次の電車は1時間後。やってしまった。何もかもが嫌になる。急いで主催者の方に謝罪の連絡を入れて、じんじんしているおでこを冷やす。どうしようもないので駅のカフェに入って、雨が降るホームをぼーっと眺めた。
1時間後、今度こそ正しい電車へ乗り込んで
ダンスキャンプへ。
女優 祷 キララ




































