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日常を彩る存在。編集後記「暮らしを楽しむ、手仕事と民芸」October 21, 2024
日常を彩る存在。
実家を出て、約2ヶ月が経ちました。掃除、洗濯、ごみ捨てといった家事の一つ一つが新鮮に楽しく思えた日々はすぐに終わり、洗濯物を回すタイミングに悩む毎日。
まだ家に必要なものが全然揃っていない(というより何が必要になるのかも分かっていない)状態で始まった今回の特集、自分にとっても生活の道具を揃える良い機会に。せっかくなので、取材をする中で手に入れたものから一部を紹介させてください。
イタリー皿(出西窯)
鮮やかな青色が美しいこの皿は、東京・世田谷の『工芸喜頓』に並んでいたもの。どんな料理に合うのだろうと眺めていると、店主の石原文子さんが「この前その皿でカレーを食べましたよ」と写真を見せてくださり、その美しさに惹かれて購入。実際に使ってみると、深さがあって盛り付けやすいのも嬉しい。
箸 ストライプ(starnet)
栃木・益子の『starnet』がオリジナルで販売しているもので、水玉模様など他にも種類があります。硬い鉄木から職人が一本ずつ削り出した箸は先が細く、すべりにくい。先日、この箸を使ってひねり揚げを食べていたら、つかむのが楽しくて気づいたら一袋完食していました。
珈琲ミル箒(綯屋)
ちょうどコーヒーミルを掃除する道具を探していたときに、神奈川・北鎌倉の『morozumi』で「これだ!」と見つけました。つい手に取りたくなる愛らしいサイズ感。コーヒーミルに限らず、パソコンのキーボードなど、細かい隙間で活躍するアイテムです。
元々、民芸に全くといっていいほど関心のなかった僕ですが、店主の方々にお話を伺う内に、ものに対する見方が変わっていくのを実感しました。作り手の想いや工夫を聞いた上で選び取ったものは、使うたびに増す愛おしさ。お気に入りの食器は丁寧に洗おうと思えるし、手馴染みの良い小箒のおかげで、掃除が楽しくなりました。
日常を彩る民芸品が数多く登場する今号、心ときめく出合いがきっとあるはず。ぜひ手に取って読んでみてもらえたら嬉しいです。
(本誌編集部/出口晴臣)