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小さな贈り物をスマートにする。ライフスタイルコーディネーターの山藤陽子さんのエレガントな嗜み。October 10, 2023

エレガンスを物語る8つの心得について、それを実践する8人に話を聞いた、本誌「エレガンス、であること」特集の企画「エレガントな、8つの嗜み」。なにげない日常のなかでも、丁寧な動作を心がけ、相手を思いやったり、自分を大切にすることで、エレガンスは醸し出されていくもの。ライフスタイルコーディネーター・パフューマーの山藤陽子さんの嗜みを紹介します。

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「気持ちいいと思うことは大概、共通しています。その観点でギフトを考えると失敗が少ないかも」と、山藤さん。

小さな贈り物をスマートにする。

 この人に会うからと用意するときもあれば、自分のお気に入りをストックしておき、お裾分けする気分で渡すことも。山藤陽子さんは、友人や親しい人たちに小さな贈り物をするのが得意だ。

「自分の好きなものはいくらでもネットで調べられますが、検索ワードに引っかからないものは逆に見つけられない。ギフトは予想外の喜びを感じてもらえたり、それがきっかけでその人の新しい何かが開いたりするかもしれない。そうなると、より嬉しいですね」

 ちょっとしたお礼の気持ちを伝えるなら、相手の負担にならない軽めのものを。そして、ずっと手元に置きたくなる気の利いたものを選びたい。

 例えば、フランスの修道院で生まれた素朴なキャンディや、イタリア最古の薬局による石鹼。数百年にわたって作り続けられているプロダクトには、パッケージも含めて普遍的な美しさがある。また、日常にさりげなく取り入れられる、それでいて特別感があるアイテムもいい。本の世界観を邪魔しない色彩が素敵なしおりや、金銀箔を優雅に閉じ込めたガラス製の箸置きなど、人々に長く愛されてきたスタンダードなものは、個人的趣味を凌駕して渡す相手を選ばない。しかも手のひらに収まるようなサイズの繊細なつくりには、思わず大切にしたくなる宝物感がある。ささやかな心づくしの程合いが、印象的にエレガンスを感じさせる。

PROFILE

山藤陽子 Yoko Yamafuji ライフスタイルコーディネーター・パフューマー

YORK.主宰。上質で気持ちのよい暮らしと生き方をテーマに、ブランドコンサルティング、商品企画開発、空間やプロダクトのデザイン、舞台演出の調香などを手がける。2021年、パフュームブランド〈SCENT OF YORK.〉をローンチ。

山藤陽子

この記事は、『アンドプレミアム』NO.119「エレガンス、であること。」に掲載されたものです。

photo : Takashi Ehara illustration : Shapre text : Mick Nomura (photopicnic) edit : Wakako Miyake

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