Car
私とクルマ。 NOBUKO TSUTSUMI × Vanden Plas Princess 1300『&Premium』2015年8月号「&CAR LIFE」より / October 28, 2019
わがままなお姫様の愛称はチョコ。
「以前よりクルマもインテリアもアンティークが好きで、あるとき代官山の駐車場で、カフェオレ色のバンデン・プラを見かけて一目惚れ。すぐに『同じクルマが欲しい!』と探したのがこの子です。オークウッドのパネル、止まったままで動かない、〈スミス〉の時計。後部座席用についているテーブルなど、元々の仕様はもちろん、購入時には、シートをベージュの革に張り替え、ボディはチョコ色に塗り替えた、本当にお気に入りの一台です。主に都内でのプライベートの移動に利用していますが、パワステじゃないのでとにかく疲れるし、曲がり角を一回で曲がれないなんてことも(笑)。でも、ロールス・ロイスのファミリーカーとして、貴族の奥様が近所に買い物に行く用に作られたという話があるぐらいなので、顔はロールス・ロイスで、気品に満ちた感じが好きですね。運転するのは少しだけ大変だけど、見た目は本当に可愛い。このわがままなお姫様のような、愛称チョコは、私のライフスタイルに欠かせない存在。時にはなだめすかしながら、大切に乗り続けたいと思います」
堤 信子
つつみ・のぶこ/フリーアナウンサー、エッセイスト。テレビ、ラジオ、講演など幅広く活躍。近著に『TOKYO文具雑貨散歩〜旅鞄いっぱいの東京』(辰巳出版)。
バンデン・プラ プリンセス 1300
1898年にベルギーで創業、1913年よりイギリスで自動車ボディの製作を手がけていた〈バンデン・プラ〉。堤さんの愛車は1970年式。
photo : Tetsuya Ito