MUSIC 心地よい音楽を。

今月の選曲家 森俊二November 24, 2017

November.24 – November.30, 2017

Saturday Morning

&Premium
Title.
Showrooms
Artist.
Sam Prekop
トータス、ジム・オルーク、タウン&カントリー、ザ・シー・アンド・ケイクなどなど、その当時何故か音響派といわれたバンドが多くいた90年代後半のシカゴ。ザ・シー・アンド・ケイクのメンバーのひとりであったサム・プレコップ。彼のソロアルバムをジム・オルークのエンジニアとプロデュースのもと、シカゴのバンドの盟友などがサポートした演奏、歌、録音、ミックス、色々な音楽の要素が詰まった、すべてが素晴らしい決して色褪せる事のないマジックなアルバム。サム・プレコップの声が実に素晴らしい! 夏っぽい感じで紹介される事が多いアルバムだけど、僕は息が白くなるような寒い日の朝の光の中でこそこのアルバムはあっているように思う。
アルバム『Sam Prekop』収録。

Sunday Night

&premium
Title.
Mid Air
Artist.
Paul Buchanan
ポール・ブキャナンのこのアルバムを聴くのは、いつもお風呂の中です。ポール・ブキャナンは80年代にブルー・ナイルというバンドにいました。そのブルー・ナイルの『Hats』というアルバムも素晴らしく夜、車の中で聴くと世界が変わります。彼の哀愁を帯びた旋律というか、ずっと同じ温度を保ちながら進んで行く独特なソングライティング。キャンドルの暖かい灯りのような楽曲。素晴らしいです。この「Mid Air」は、いつ聴いてもポール・ブキャナンの創造したオレンジ色のライトが灯った石畳の街を歩いているような、そんな感じがしてしまいます。このアルバムから数曲『アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜』という映画のサウンドトラックにも使われていました。日曜日の夜、いつもより早めにバスタブにお湯をためて、キャンドルの灯りのお風呂の中、哀愁を帯びたポール・ブキャナン節を聴いてみてください。
アルバム『Mid Air』収録。
&Music / 土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ

&Music / 土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ

音楽好きの“選曲家”たちが月替わりで登場し、土曜の朝と日曜の夜に聴きたい曲を毎週それぞれ1曲ずつセレクトする人気連載をまとめた「&Music」シリーズの第2弾。 23人の選曲家が選んだ、週末を心地よく過ごすための音楽、全200曲。 本書のためだけにまとめた、収録作品のディスクガイド付き。

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ミュージシャン 森 俊二

1991年、中西俊夫プロデュースによるナチュラル・カラミティとしての1stアルバム『Dawn In The Valley』でデビュー。静かでメランコリックな音楽性がアメリカでドリーミー・サウンドと支持され、ジャック ジョンソンが自身のムービーのサントラに使用するなど定評がある。2000年に結成された森 俊二(Natural Calamity)と石井マサユキ(TICA)によるギターインストゥルメンタルユニット「GABBY & LOPEZ」の5年ぶりのアルバム『SWEET THING』が発売中。ソロプロジェクト 222 でも活動中。

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