MUSIC 心地よい音楽を。
土曜の朝と日曜の夜の音楽。 今月の選曲家/みどり vol.5March 31, 2023
March.31 – April.06, 2023
Saturday Morning

バッハの音楽は、自分のバイオリズムの出っ張ったところを抑さえ、足りないところを補ってくれるような、まさに「ととのう」音楽。
そのなかでも特に、無伴奏チェロのシンプルでありながら深い音色は、聴き手の感性をマッサージしてくれるような気がしています。
実にたくさんの演奏家がすでにこの作品群を演奏していますが、バッハの音楽の厳格さだけでなく、人間らしさ、あらゆる感情の起伏をすくいとるようにのびのびと演奏されているミッシャ・マイスキーの1984~1985年録音版が好きです。とても有名な第1番ト長調の、この分散和音でのはじまりは、朝の窓をあけて風を取り入れるような、すがすがしい気持ちにさせてくれます。(森ゆに)
アルバム『Johann Sebastian Bach:6 Cello Suites: Maisky(1984-1985)』収録。
そのなかでも特に、無伴奏チェロのシンプルでありながら深い音色は、聴き手の感性をマッサージしてくれるような気がしています。
実にたくさんの演奏家がすでにこの作品群を演奏していますが、バッハの音楽の厳格さだけでなく、人間らしさ、あらゆる感情の起伏をすくいとるようにのびのびと演奏されているミッシャ・マイスキーの1984~1985年録音版が好きです。とても有名な第1番ト長調の、この分散和音でのはじまりは、朝の窓をあけて風を取り入れるような、すがすがしい気持ちにさせてくれます。(森ゆに)
アルバム『Johann Sebastian Bach:6 Cello Suites: Maisky(1984-1985)』収録。
Sunday Night

「この人の歌にこの単語よく出てくるよね」というのは歌詞あるある。
サカナクションの山口一郎さんが書く詞には「夜」が頻出します。
彼の詞は徹底して夜の世界、夜の孤独感が主軸になっていて制作期は昼でもご自身の部屋を真っ暗にして夜に”偽装”するのだとか。もっぱら早寝派の私でも、テイラー・スウィフト「Midnight」しかり、「夜」というものがどこか異次元へ連れていかれそうな、そして昼間とは違う思考がめぐる魅惑的な世界であることにはとても共感します。
初期サカナクション特有の、余白多めのサウンドに暗く静かな部屋にたたずむ主人公の心象風景。答えを見つけたい、見つけられない、見つけたくない、という思いの交錯、白黒を容易につけられないということは果たして、ただの「優柔不断」なのか。私自身を魅了してやまないテーマです。(森ゆに)
アルバム『NIGHT FISHING』収録。
サカナクションの山口一郎さんが書く詞には「夜」が頻出します。
彼の詞は徹底して夜の世界、夜の孤独感が主軸になっていて制作期は昼でもご自身の部屋を真っ暗にして夜に”偽装”するのだとか。もっぱら早寝派の私でも、テイラー・スウィフト「Midnight」しかり、「夜」というものがどこか異次元へ連れていかれそうな、そして昼間とは違う思考がめぐる魅惑的な世界であることにはとても共感します。
初期サカナクション特有の、余白多めのサウンドに暗く静かな部屋にたたずむ主人公の心象風景。答えを見つけたい、見つけられない、見つけたくない、という思いの交錯、白黒を容易につけられないということは果たして、ただの「優柔不断」なのか。私自身を魅了してやまないテーマです。(森ゆに)
アルバム『NIGHT FISHING』収録。
ミュージシャン みどり

森ゆに、青木隼人、田辺玄のトリオ。2017年に緩やかに活動をスタート。ふだんはピアノ弾き語りで歌う森ゆには、みどりではピアノを弾かずに歌う。青木隼人と田辺玄は、ギターで歌を支え、ときどき前に出て合奏をする。演奏の活動期間は啓蟄から立冬まで。2019年3月ファーストアルバム『みどり』発表、2022年4月セカンドアルバム『みどり2』発表。