MUSIC 心地よい音楽を。

ラッパー 鈴木真海子さんが選ぶ土曜の朝と日曜の夜の音楽。vol.1July 05, 2024

July.05 – July.11, 2024

Saturday Morning

Title.
El Gato
Artist.
Bobby Valentin
土曜の朝、どんな休日をお過ごしになりますか。仕事や学校に行く人もいるかな。最近の私はもれなく土曜日はライブが入っているので休日!という感じでもないけれど、楽しい気持ちには変わりないので、ウキウキした音色を選曲しました。サルサよ。私はサルサを聴くと問答無用でアガる。アガりつつ、落ち着いている。元々サルサとかラテンとかサンバが好きなんだが、なんかこう、心のグルーヴに合う。だからアガってるけどリラックスもしている感じ。
冒頭でウキウキと言ったけれど、この曲の内容は少し切なくて、恋人が自分とミゲルという飼い猫を置いていなくなってしまったということを言っているんだけど、軽やかに歌うのがまたいいですよね。最後は、猫があまりにも悲しいのを見て、彼にいたノミまで去っていった、というストーリーで締めくくられるのですが、面白いうえに切なくて良すぎ。途中で猫の鳴き声を歌うのがまたキャッチー。つい口ずさんじゃう。そしてアルバムジャケットもかわいい猫の写真。本当にミゲル本人なのかも。みんなでミャオミャオ歌いながら朝を過ごしましょう。
アルバム『Bobby Valentin』収録。

Sunday Night

Title.
Free My Skin
Artist.
Steam Down
この間ロンドンに色んな音楽ライブを観に行きました。大きなフェスから小さなジャズバーまで、観たかったアーティストの音を浴びまくって最高だったんですが、その中でもめちゃくちゃホットだったのがSteam Downという集団。
ロンドンのとあるギグスペースに行くことが目的でチケットを取っていたので、実は内容や彼らの存在を知らないまま、生のライブを観たのですが正直今まで観たライブの中で一番くらいました。毎週水曜日に彼らはセッションをするような形でライブを行なっているようで、熱量が異常。そんなに広くないスペースの真ん中で楽しそうにその場で音のグルーヴを作っていく。メンバーがその場でお互いに指揮をとりながら演奏をし、お客さんも彼らを囲うようにして踊っていて、その空間自体がすごい次元にあるというか、なんだかスピリチュアルな感覚もあって、一生忘れない音楽体験でした。この曲を聴くと自分の中にある熱い気持ちが高まっていって、ピュアに音楽と向き合える。ってのと、ロンドンのあの夜を思い出せてテンションがアガる。ので私的日曜の夜ミュージックでございます。
シングル「Free My Skin」収録。
&Music / 土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ

&Music / 土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ

音楽好きの“選曲家”たちが月替わりで登場し、土曜の朝と日曜の夜に聴きたい曲を毎週それぞれ1曲ずつセレクトする人気連載をまとめた「&Music」シリーズの第2弾。 23人の選曲家が選んだ、週末を心地よく過ごすための音楽、全200曲。 本書のためだけにまとめた、収録作品のディスクガイド付き。

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ラッパー 鈴木真海子

東京都出身。2014年にchelmicoを結成。2017年にリリースしたEP「Deep green」をきっかけに神奈川県を拠点に活動する『ご近所録音チーム』ことPistachio Studio(ピスタチオスタジオ)に所属、鈴木真海子としてソロ名義をスタートする。2021年1st album『ms』をリリース、STUTS / TOSHIKI HAYASHI(%C) / yonawo / PAS TASTA / idomなど、様々な作品にも客演アーティストとして参加する。2024年6月26日に2nd album『mukuge』をリリース。7月12日 恵比寿ガーデンホール、7月20日横浜ベイホールにてワンマンライブも開催するなど精力的に活動している。

chelmico.com

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