MUSIC 心地よい音楽を。

音楽家、映画監督 マヒトゥ・ザ・ピーポーさんが選ぶ土曜の朝と日曜の夜の音楽。vol.3December 20, 2024

December.20 – December.26, 2024

Saturday Morning

Title.
Utterfly FX
Artist.
Eartheater
転がる石の光沢に目がつぶれ、コンクリートを這う。散らばった飛行石のかけらを集め、来世での飛行を試みる。何も終わらず、何もはじまらない、深淵な朝の崖で花にあげるついで、不釣り合いなムードに水をあげる。どこで間違ったのか、どこで間違えることを選んだのか、いずれ太陽の色を知ることになるわたしたちはカーテンの隙間からそれらの到着を待つ。
アルバム『Rip Chrysalis』収録。

Sunday Night

Title.
We Carry On
Artist.
Portishead
喧騒の中で静かになる感覚、もっと鮮やかなノイズを求めて街にでる。さらなる混乱を求めて街の角に一番やらかいところをえぐられてみる。12月と共に全てを忘れるために、人であふれかえった東京の上にダイブする。イヤホンで流すのはこの曲。耳元のベスはいつも優しく、今年フジロックのグリーンステージで見た孤独な笑顔を思い出す。何度もさげてたあの頭を思い出す。わたしはタバコに火をつけて長い煙を吐き出した。
アルバム『Third』収録。
&Music / 土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ

&Music / 土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ

音楽好きの“選曲家”たちが月替わりで登場し、土曜の朝と日曜の夜に聴きたい曲を毎週それぞれ1曲ずつセレクトする人気連載をまとめた「&Music」シリーズの第2弾。 23人の選曲家が選んだ、週末を心地よく過ごすための音楽、全200曲。 本書のためだけにまとめた、収録作品のディスクガイド付き。

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音楽家、映画監督 マヒトゥ・ザ・ピーポー

2009年、バンド・GEZANを大阪にて結成。作詞作曲をおこないボーカルとして音楽活動開始。うたを軸としたソロでの活動の他に、青葉市子とのNUUAMMとして複数のアルバムを制作。UAや木村カエラへの楽曲提供、映画の劇伴やCM音楽なども手がけ、独自のレイヤーで時代をまたぎ、カルチャーをつむいでいる。2019年5月には初小説『銀河で一番静かな革命』(幻冬舎) を発表し、2020年11月には初エッセイ集『ひかりぼっち』(イースト・プレス)を刊行。2023年2月には自身が文章を手がけた絵本『みんなたいぽ』がミシマ社より発売された。2024年3月、初監督・脚本を務めた映画『i ai』が全国映画館にて公開。

instagram.com/mahitothepeople_gezan

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