緑を育てるときにやらかしがちな、8つのこと。 – Dos & Don’ts 02 | Article | & Premium (アンド プレミアム)

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Dos & Don’ts 02 / April 28, 2021 緑を育てるときにやらかしがちな、8つのこと。

ステイホームの時間も増え、花と緑を部屋に迎える機会が増えたこの頃。なかには、「なぜか元気がない……」と原因の分からないままに枯らしてしまった方もいるのでは。
グリーンショップで主に取り揃えられている熱帯の観葉植物や多肉植物を想定し、初心者がやりがちなNG行為をプロが解説。東京・二子玉川の園芸店『プロトリーフ ガーデンアイランド玉川店』店長の佐藤健太さんが教えてくれた。
*2021年4月20日発売『&Premium』最新号「花を飾ろう、緑を育てよう」収録記事より。

 

NG1
水やりが楽しくて仕方ない!
毎日少しずつあげてみる。

水やりが楽しくて仕方ない!毎日少しずつあげてみる。
グリーンを育て始めてみると、想像以上に水やりが楽しい。日々成長する植物が可愛くて、例えば毎日コップ1杯の水をあげてみたり。少しずつなら、毎日水やりしてもいいですよね? 「いえ、きっと植物は困っています。根は鉢の下へ下へと伸びていきますので、水が鉢底まで行き渡らないと吸水できないんです。水やりの基本は、”表面が乾いたらたっぷりあげる”です。土を触ってみて乾いていたら、鉢底から水が抜けるくらいたくさんあげましょう。すると土の中の空気も入れ替わります。ただ、水やりのタイミングは種類によりけりで、例えば観葉植物でも土が乾いてから3日であげるべきものや、2週間待つべきものなど幅がありますので、必ず購入時に確認しましょう。一方で葉水は毎日あげてもOK。葉にとって乾燥は大敵。虫がついたり、静電気による埃の付着で蒸散ができなくなる恐れもあります。霧吹きが面倒なら、浴室で葉にシャワーをザーッとかけてあげるのもいいですよ」
 
 

NG2
光合成させるために、
できるだけ直射日光を当ててあげる。

光合成させるために、できるだけ直射日光を当ててあげる。
植物のエネルギーの源は光合成にあり。そのためには当然、太陽光が必要だから直射日光も喜んでくれるはず。植物はすべて日が燦々と照る場所に置いておくのが正解と思いきや、あれ、葉が茶色く色づいてきた……。「茶色に変色するのは葉焼けという現象で、残念ながらすでに葉緑素が機能しなくなっています。確かに日の光は植物にとって欠かせません。でも実のところ、一部の観葉植物は直射日光に弱いんです。それを好むものにフィカスをはじめとするゴムノキなどがある一方、モンステラやシダ、コケなどは葉焼けしてしまいます。人間でいうところの日焼けのようなものですが、植物は自己回復力がないので一度焼けてしまうと元には戻りません。ただし勘違いしないでほしいのは、”直射”は不要だけれども”日照”はどの植物にも必要だということ。窓越しやカーテン越しの光でいいので、本が読めるくらいの明るさをキープしてあげれば、大抵の観葉植物は枯れずに保てます」
 
 

NG3
簡単そうだから、
キッチンハーブにチャレンジしてみた。

簡単そうだから、キッチンハーブにチャレンジしてみた。
「キッチンハーブ」というのは、その名の通り、キッチンに置いて栽培するハーブのこと。そう聞くと育てるのはいかにも簡単そうだし、料理しているときに手近にハーブが育っていたらなかなか嬉しい。水回りのインテリアにもなるし、なんといっても食べられる。こんなに至れり尽くせりなグリーン、手を出さずにはいられない。「近年、簡単でお洒落だと気軽にハーブを購入されるお客さんも少なくないのですが……、残念ながらキッチンのような環境でハーブを育てるのはかなり難しく、初心者向きとは言えないんです。ハーブの生育には十分な日照と風通しが必要なので、置き場所はできるだけ屋外がいいと思います。室内ではかなり場所を選びます。もちろん適切な環境で手間暇をかけてあげれば、例えばバジルはこれから秋までもりもり育っていきます。成長が早く、うまく育てられれば楽しいに違いないので、ぜひ育て方を押さえてハーブ栽培にチャレンジしてほしいです」
 
 

NG4
家の中に置きっぱなしはよくなさそうで、
たまにベランダに出してみる。

家の中に置きっぱなしはよくなさそうで、たまにベランダに出してみる。
晴天にもかかわらず、家の中に植物を置きっぱなしにしていると、「もしかして外に出してあげたほうがいいのだろうか?」と思うのは自然なこと。外の空気を吸ってどんどん太陽光を浴びたほうが大きく成長していく気がして、昼間は植物をベランダに出して日が沈んだら屋内に戻してみる。きっと植物にとってもリフレッシュになりますよね? 「植物への愛ゆえの行動だと思うのですが、実は植物に強いストレスを与えてしまっています。エバーフレッシュやモンステラなど、園芸店でよく販売されている植物は熱帯を原産としているものの、四季のある日本でもちゃんと育つように徐々にこの環境に適応しています。しかし周囲の環境が数時間単位で変わってしまっては、さすがにどんな場所でも慣れることはできません。例えば、元気のない様子であれば置く位置を変えるのもひとつの手ですが、動かしたなら慣れてくるまでその場所をキープしましょう。おおよそ2週間ほどが目安です」
 
 

NG5
底に穴がないけれど、
お気に入りの器を鉢にしてみた。

底に穴がないけれど、お気に入りの器を鉢にしてみた
園芸店でなかなか気に入ったデザインの鉢が見つからないとき、「もしかして、すでに持っているお気に入りのマグカップやボウルも植木鉢として使えるのでは?」と閃いた。いわゆる植木鉢でよく見る底穴がないのは少し気になるところだけど、土はたくさん入るからきっと大丈夫だ。「いえいえ、鉢の底穴にはとても重要な意味があるんです。とてもシンプルですが、それは水が抜けること。穴がない鉢を想像してみると、水を入れてもその逃げ道がないですよね。すると底に水が溜まって根が腐ってしまいますし、土も水も次第に腐ります。緑にとっていいことはひとつもないんです。まれに観葉植物や多肉植物が穴のない鉢に入って売られていることもあるので、注意してくださいね。ちなみに、鉢の下に置く受け皿は、鉢下の床が傷むのを防ぐためのコースターのようなものです。決して水を溜めるためのものではないので、水やりの後にはきちんと皿の中の水を捨ててあげるといいですよ」
 
 

NG6
立派に育てたいから、
できるだけ大きいサイズの鉢に植え替え。

立派に育てたいから、できるだけ大きいサイズの鉢に植え替え

植物を育てる楽しみは、なんといっても立派にしていくこと。とびきり大きくて深い鉢に植えておけば、何度も植え替える手間を省けるし、どんどん下に根を伸ばして効率的に育ちますよね? 「いえ、場合によっては枯れてしまいます。十分に大きく育っていない植物はそれだけ根も少ないことが多いので、深い鉢に植え替えるとほとんど土の表面に根を張るような状態になります。いくら水を入れても鉢の下側に流れ出て、水を吸うことができないんですね。さらには吸えなかった水が鉢底に溜まって土を腐らせてしまいますので、サイズに合った鉢を選びましょう。多肉植物が鉢いっぱいに育った状態で園芸店に並んでいることがありますが、それは適切な大きさであって、鉢が小さいわけではないんです。どうしても植え替えたいときは根に注目。根が鉢いっぱいに広がると、鉢底や土の表面に根をはみ出させてきます。このタイミングで一回り大きい鉢に植え替えれば、スムーズに育ってくれますよ」

 
 

NG7
植物の元気がない!
たくさん肥料をあげてみよう。

植物の元気がない!たくさん肥料をあげてみよう。
丁寧に育ててきた植物でも、ある日突然元気を失っていることがある。いつものようにフレッシュな姿に戻ってほしくて焦った揚げ句、「手っ取り早く元気になりそうだ」と頭に浮かぶのが肥料。植物の成長に必要なものがギュッと詰まっているから、いっそのこと3本くらい挿してしまえば、以前よりも元気になっちゃったりして。「植物の不調は99%、水やり、日照条件、湿度などの生育環境に原因があると言っても過言ではありません。肥料不足を原因とするケースはほとんどないんです。まずはその植物に適切な環境を改めて調べて、今までの環境を見直してみましょう。病気の可能性もあります。観葉植物であれば、肥料は年に一度与えればOK。人間の食事にたとえて言えば、肥料はステーキのようなもので超がつくほどパワフルでハイカロリーなんです。ちなみに、肥料と混同しやすい活力剤は、ステーキに対して栄養ドリンクのようなもの。ちょっと植物に栄養を与えたいときにおすすめです」
 
 

NG8
多肉植物を育てるなら、
キュートな寄せ植えにしたい。

多肉植物を育てるなら、キュートな寄せ植えにしたい。
園芸店の多肉植物コーナーで目にすることも多い寄せ植え。それぞれの植物の育て方を考慮しないといけないから難しそうではあるけれど、可愛らしい見た目に惹かれてしまって、初心者だけどチャレンジしてみたくなる。「多肉植物に限らず、寄せ植えはひとつの文化です。単体の多肉植物と同じように並んで売られていることもありますが、あくまで”ひとつの楽しみ方”だと思ってください。盆栽や、テラリウム、苔玉の仲間のようなもので、小さな世界を一時的につくって観賞するものなのです。大きく育てたいなら単独で栽培するのがベター。植物を”きれいに飾りたいのか”、それとも”大きく育てたいのか”、よく考えてみましょう。寄せ植えは決して生育環境としては万全とはいえず、たとえ寄せ植えの状態で購入したとしても、特に初心者がそのまま育てていくことはおすすめできません。弱りやすい状態が長く続かないように、2〜3か月楽しんだら崩してあげるのがいいですよ」
 

illustration : Hiroko Shono text : Ryota Mukai


『プロトリーフ ガーデンアイランド玉川店』店長 佐藤 健太

東京・二子玉川にある都内最大級の園芸店『プロトリーフ ガーデンアイランド玉川店』で店長を務める傍ら、希少な多肉植物などの一点もののグリーンを扱う『PROTOLEAF SELECTIONS』をこの3月に同じ建物の地下2階にオープン。YouTube『PROTOLEAF CHANNEL』の育て方ガイド動画は植物好き必見。▷東京都世田谷区瀬田2−32−14 玉川髙島屋S・C ガーデンアイランド2F ☎03−5716−8787(B2 ☎03−6867−8787) 10:00〜20:00 元日のみ休

youtube.com/user/protoleaf

Latest Issue器を知る、学ぶ、楽しむ。2021.10.20 — 880円