MUSIC 心地よい音楽を。
プロデューサー、シンガーermhoiさんが選ぶ土曜の朝と日曜の夜の音楽。vol.3September 19, 2025
September.19 – September.25, 2025
Saturday Morning

3年ほど石橋英子さんのバンドに参加しています。土曜日の朝にお勧めしたい英子さんの曲は、「Coma」。昏睡(=Coma)から覚め、ぼんやり見えてくる現実世界へ思いを馳せる、そして次第に血が通ってくる、と同時に冷ややかな視点も持ち合わせる、そんな歌と解釈しています。私はコーラスワークで参加させていただきました。英子さんの音楽の中に潜む、いたずらを企んでいる少女のような愛らしさ、世の中の嘘や人間のどうしようもなさを皮肉な目線で炙り出すような歌詞は極上です。ノルウェーのアコーディオン奏者Kalle Mobergの音もこの世のものとは思えません。
アルバム『Antigone』収録。
アルバム『Antigone』収録。
Sunday Night

’90〜’00年代初頭のポストロックやアートロックなどが結構好きで、特に学生時代はThe Books、Roy Montgomery、 Boards of Canada、などの音楽をよく聴いていました。そしてもちろんジム・オルークさん。普段は全国各地の美味しい食べ物の話をよくしてくださるジムさんですが、これまでに彼が関わってきた音楽を聴いていこうとすると気が遠くなるほどの数になります。いつかは辿り着きたいその境地。さて、週末の最後におすすめするのは、最近リリースされたGastr del Sol のライブ音源を。
アルバム『We Have Dozens of Titles』収録。
アルバム『We Have Dozens of Titles』収録。
プロデューサー、シンガー ermhoi

日本とアイルランド双方にルーツを持ち、ジャンルを縦横し、制作活動を行う。近年はBlack Boboiのメンバーとしての活動や、石橋英子のサポートをしている。2015年にソロとして、ファーストアルバム『Junior Refugee』をリリース。’18年には小林うてな、julia shortreedとともにblack boboiを結成。’19年からは常田大希が率いるMillennium Paradeにも参加。ermhoiのバンド編成プロジェクト ermhoi with the Attention Pleaseでは、エレクトロで作られた音楽を生楽器で再構築している。’25年には第19回「ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展」日本館のテーマ音楽を担当。最新曲「Later」を配信中。