MUSIC 心地よい音楽を。

プロデューサー、シンガーermhoiさんが選ぶ土曜の朝と日曜の夜の音楽。vol.1September 05, 2025

September.5 – September.11, 2025

Saturday Morning

YOGEE NEW WAVESボーカル・ギター 角舘健悟さんが選ぶ土曜の朝と日曜の夜の音楽。vol.4
Title.
Symphonies Of Wind Instruments

Artist.
Robert Craft,Twentieth Century Classics Ensemble
制作期間の朝は大抵、寝不足のまま起きます。時間がないからではなく、頭がぐるぐると混乱し、思考の渦から逃れることがとても困難だからです。でも仕方ありません。それで食べていこうとしているのだから。さて、このストラヴィンスキーの素晴らしい作品は、ドビュッシーの没後に捧げる曲として書かれたもの。今年、ヴェネツィアのサン・ミケーレ島で大変質素な墓石の下に眠るストラヴィンスキーの墓を見つけた時、気になっていくつか作品を聴くようになりました。寝不足という現実を無理矢理突破するにはとてもいい音楽だと思い、土曜日の朝にお勧めします。
アルバム『Stravinsky: 125th Anniversary Album The Rite Of Spring Violin Concerto Symphonies Of Wind Instruments Zvezdolikiy』収録。

Sunday Night

YOGEE NEW WAVESボーカル・ギター 角舘健悟さんが選ぶ土曜の朝と日曜の夜の音楽。vol.1
Title.
Goodbye, My Danish Sweetheart
Artist.
Mitski
歌を何年か歌ってきて、上手いって何? かっこいいって何? と色々悩むことは、やはりある。加えて歌詞を書いてメロディを考えてなどやってると、もう自力ではやってられないと心細い気持ちになることがある。そんな時、参考資料として今まで聴かずにいた音楽の数々の中、日本にルーツがあるということで長らく気にしていたMitskiのディスコグラフィーを最初から聴き始めた。この曲は奇天烈なタイトルの2ndアルバムの一曲目。6/8のリズムがアイリッシュジグを彷彿とさせ、メロディを口ずさんで感触を確かめたくなるくらいに、リフレッシュした気持ちにさせる曲。
アルバム『Retired From Sad, New Career In Business』収録。

プロデューサー、シンガー ermhoi

ermhoi artist 2024 square
日本とアイルランド双方にルーツを持ち、ジャンルを縦横し、制作活動を行う。近年はBlack Boboiのメンバーとしての活動や、石橋英子のサポートをしている。2015年にソロとして、ファーストアルバム『Junior Refugee』をリリース。’18年には小林うてな、julia shortreedとともにblack boboiを結成。’19年からは常田大希が率いるMillennium Paradeにも参加。ermhoiのバンド編成プロジェクト ermhoi with the Attention Pleaseでは、エレクトロで作られた音楽を生楽器で再構築している。’25年には第19回「ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展」日本館のテーマ音楽を担当。最新曲「Later」を配信中。

instagram.com/ermhoi

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