MUSIC 心地よい音楽を。

今月の選曲家 ceroJuly 21, 2017

July.21 – July.27, 2017

Saturday Morning

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Title.
White Gloves
Artist.
Khruangbin
何年か前、鍼治療を受けていた時のこと。数本の針が僕の頭部に突き立てられ、それらを通してこれから頭皮に電流が流されるという。恐ろしかったが、ひとたび電流が流されると、その快楽に一気に酔いしれてしまった。身体から力が抜けていく反面、意識はどんどん拡張していく感じ。「メロウ・ハイ」という言葉が突然浮かんできて、なるほどこれが今の自分の状態を形容する言葉なんだ、と独りごちた。それからというもの、アノ感覚が蘇るとやたらと「メロウ・ハイだね」と口にするようになってしまった。クルアンビンの音楽を聴くときはいつも心のなかで「メロウ・ハイだな〜」と呟いちゃってる自分がいる。(髙城晶平)
アルバム『The Universe Smiles Upon You』収録。

Sunday Night

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Title.
Snare, Girl
Artist.
Nels Cline
ウィルコのメンバーとしても活動するギタリスト、ネルス・クラインによるムードミュージックプロジェクト。管弦楽の大編成ではあるけど、派手さはなく粋です。ツアーで車移動の時によく聴いていたからか、風景との親和性が高い音楽という印象もある。このあいだムードマンが、ダンスミュージック / ムードミュージックは、判断基準が聴く側の能動性に委ねられてる音楽、というようなことを話していた。この作品を聴いていると、ムードマンの言っていたことがよくわかるような気がする。僕も頭や身体を動かす余地のある音楽をやりたいものです。(髙城晶平)
アルバム『Lovers』収録。
&Music / 土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ

&Music / 土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ

音楽好きの“選曲家”たちが月替わりで登場し、土曜の朝と日曜の夜に聴きたい曲を毎週それぞれ1曲ずつセレクトする人気連載をまとめた「&Music」シリーズの第2弾。 23人の選曲家が選んだ、週末を心地よく過ごすための音楽、全200曲。 本書のためだけにまとめた、収録作品のディスクガイド付き。

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ミュージシャン cero

髙城晶平(Vo、Gu、Flu)、荒内佑(Key)、橋本翼(Gu)。Contemporary Exotica Rock Orchestra 略して「cero」(セロ)として、2010年にデビューを果たす。全員が楽曲を制作するオルタナティブなスタイルと楽曲の嗜好性の幅広さ、ライブ活動が多くのリスナーに支持されている。

cero-web.jp

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