BOOK 本と言葉。
『本の轍』が届けるベターライフブックス。今週の本『わからないままの民藝』November 14, 2024
This Month Theme手仕事と民藝の奥深さに触れる本。
Book of the Week『わからないままの民藝』朝倉圭一 著(作品社)
下手物(ゲテモノ)と呼ばれていた品々が、1920年代半ばに柳宗悦らによって「民衆的工藝」=「民藝」と名付けられ、ひとつのスタイルとして確立した。でも、あまりにも聞こえがいい言葉であることから解釈が広がって、あれもこれも民藝だよね? なんてことになってしまっているのが現状。本書はとんかつの話で始まり、とんかつの話で締め括られる。地元の飛騨高山で工藝店「やわい屋」を営む店主の朝倉さんは、民藝「を」語るのではなく民藝「で」語ることに心を砕いたという。“民藝もまた、温もりと儚さを同時に併せ持つ、「わからないまま」ただただ愛おしいもの”という言葉に導かれながら、読むほどに味わいが増していく好エッセイ集だ。
BOOKSHOP 本の轍
「本と雑貨」をハシゴして、ついでにコーヒーも飲めるブックストアがコンセプト。店主の好みと気分で選んだ古書や新刊書籍が3000冊ほど扱われている。「松山」にちなんだ本のセレクトも。店内では徳島の「aalto coffee」庄野雄治さんによる「本の轍オリジナルブレンド」を楽しむことができる。
住所:愛媛県松山市春日町13-10 小田原ビル101
営業時間:13:00~19:00
定休日:火・水曜(※変則あり、Instagramで確認できる)