FOOD 食の楽しみ。

平野紗季子さんが出合った、地元の人が愛する味。あんこときなこを巡る旅-金沢。January 04, 2024

どちらかというとあんこ派という、フードエッセイストの平野紗季子さんが菓子の都、金沢へいざ出陣。待ち受けていたのは、日常に根ざしたおやつの数々。あんこときなこへの愛がより深くなったという、新しい味との出合いをお届け。

あんこときなこを巡る旅-金沢。平野紗季子さんが出合った、地元の人が愛する味。
Sakiko Hirano
フードエッセイスト。著書『生まれた時からアルデンテ』(平凡社)をはじめ、雑誌、文芸誌で執筆。菓子屋『ノーレーズンサンドイッチ』も手がけている。ポッドキャスト&ラジオ番組『味な副音声』も好評配信中。金沢でのお菓子巡りは今回が初めて。写真は、『戸水屋』の店先にて。
戸水屋 あんこときなこを巡る旅-金沢。平野紗季子さんが出合った、地元の人が愛する味。
『戸水屋』のおはぎ
1848年の創業以来、時代に合わせてあんこの味を変えながら、おはぎを作り続ける店。「塩気が効いているあんこだから、ごはん感覚で食べられる。きなこも、昔食べたきなこご飯を思い出す懐かしい味。ほかほかのうちに食べるのがベスト」。おはぎ あんこ¥180、きなこ¥170。

あんこときなこ、忘れたくない味のこと。 文・平野紗季子

 ささやかな重みと、ほの温かさ。出来たての、あんこときなこのおはぎを『戸水屋』の店主・戸水健司さんから手渡してもらったとき、あ、この手のひらの感覚、忘れちゃってた大事なやつだ、と思った。この感触が思い出させるもの。それは、いつの間にかコンビニになってしまった駅前の小さな和菓子屋さんのことや、今は亡き田舎の祖母が、幼い頃こしらえてくれたおやつのことだった。

「うちは立派な菓子屋じゃなくて、おまんじゅう屋さん。風呂敷に包むんじゃなくて新聞紙重ねて近所の人に持っていくような、そういうお菓子」と、戸水さんは言う。いびつで大ぶり、塩気の効いたつぶ餡のおはぎは、本来お金を出して買うものからは得難い空気を纏っている。

「昔懐かしいおばあちゃんのおはぎだと言われるの。昔は抵抗があったけどね、職人なのにって」と戸水さんは笑う。笑ったそばから少し寂しそうな顔をする。

「本来は雑誌に載るもんじゃない。日常なんだから。でも今はこのあんこの味を守らなきゃって。一度壊れたものは絶対に戻らないから」

 金沢には、古くから茶の湯文化を支える上生菓子屋があり、日常に根ざしたおまんじゅう屋があり、晴れの日には『越山甘清堂』で出合った五色生菓子といったマジカルな祝い菓子が現存する夢のような和菓子の都……と旅人の私は浮かれるが、菓子屋が続き、よき菓子を食べ続けられるということは、当たり前でもなんでもでなく、そこに必ず、残そうつなげよう、と強く意志を持った人々がいてこそのものだと気付かされる。

豆半 あんこときなこを巡る旅-金沢。平野紗季子さんが出合った、地元の人が愛する味。
〈豆半〉のどら焼き
「私のどら焼きの概念を変えてくれた、パーフェクトなバランス」と平野さんが絶賛するのは、老舗和菓子屋の新ブランド〈豆半〉のどら焼き。うっとりするほど美しいどら焼き専用の餡。寒天を入れ、少し固めに。
豆半 あんこときなこを巡る旅-金沢。平野紗季子さんが出合った、地元の人が愛する味。
〈豆半〉のどら焼き
生地には少量の昆布出汁を使うなどのこだわりが。1 個¥250。
小窓のしおや あんこときなこを巡る旅-金沢。平野紗季子さんが出合った、地元の人が愛する味。
『小窓のしおや』の米粉の白きなこぼうろ、だるまさんの最中
日曜と月曜だけ、小窓越しに開店。「店主の愛情が込められた素朴なおやつは全部食べたくなります。非常に香りの良い白きなこもおいしい」。米粉の白きなこぼうろ¥440、柚子のピールと求肥入りの冬限定、だるまさんの最中¥390。
小窓のしおや あんこときなこを巡る旅-金沢。平野紗季子さんが出合った、地元の人が愛する味。
『小窓のしおや』の米粉の白きなこぼうろ、だるまさんの最中
「店頭のみの『あん豆かん』も最高」

 つないでいくことは、きっと今の時代に照らした価値を紡ぐことでもある。茶席菓子の名門『吉はし』の3代目兄弟である吉橋慶佑さん・太平さんが数年前から手がける〈豆半〉は、基本的には受注生産でしか出合えない『吉はし』の味を、より身近でより自由な存在として日常の中に置き直した菓子屋だ。由来には〝半人前〞の意味があるそうだが謙虚という他なく、彼らの作るどら焼きは人生最高を更新する素晴らしさだった。卵色の生地はフカッと歯切れよく、たっぷりのあんこは実にみずみずしい。あんこにもみずみずしさのフィールドがあったのか、とまず驚く。甘さはハッキリしつつもキレが良く、余韻は甘さよりも小豆の香りが響き、その精緻なバランスにもまた驚く。聞けば生地には旨味を潜ませるべく少量の昆布出汁を用い、小豆は水分量が多く粒がしっかりしたエリモショウズを選り抜き、粒を壊さぬよう銅鍋で丁寧に炊き上げ、渋切りも様子を見ながら微調整する。美味へとにじり寄る的確な仕事の集積。その探求の塊を前に「甘さは控えるものではなく秘めるもの」という『オーボンヴュータン』河田勝彦氏の言葉さえ飛来する。「どら焼きってちょっと甘くてあんこを全部食べられないこと多いんですよね」などと言っていた過去の自分の口にこの店のどら焼きを突っ込んで黙らせたい。そしてドヤ顔でこう言いたい。ここには和菓子の未来があります。古きを継承する意志と新しきを創造する意志、その二つが互いにせめぎ合いながら共存してこそ文化は続いていくのです……!と。

「きなこは大事にしたい。脇役なんて悲しい」

 そうおっしゃったのは、『小窓のしおや』店主の塩谷美馨さん。彼女もまた和菓子文化や日本ならではの素材に大きな愛を持ち、日々の仕事に向き合う人だ。店は住宅街のとあるマンションに開かれた小窓で、白い暖簾が掛けられた窓から宝物のような最中や豆かんがそっと手渡される。きなこへの想いを深々と感じられるのは、米粉の白きなこぼうろだ。低温焙煎された北海道産きなこは大豆の甘さがブワッと広がるミルキーな風味を持ち、そうだよ私ってば君のことが大好きだったんだ!と、初恋の相手に再会したような心持ちになる。たしかに私は子どもの頃きなこが好きすぎて、ご飯にまでまぶして食べていたのだ。あのジャリジャリ、あの甘さ、そしてやわらかな香ばしさが運ぶなんともいえぬ安心感。

 この街で過ごすことは、あんこやきなことの距離を縮め彼らと出合い直すことと同義だった。なにせ街の至る所で、思いがけず彼らへの深い愛に出くわすのだ。『サロン・ド・テ・カワムラ』の本黒わらび餅を食べればショットサイズの冷たいミルクがついてきて、最後にきなこラテまで楽しめる展開が待ち受けているし、『カフェダンボ』ではあんドーナツが現れ、ほっくりした素朴な餡は和菓子屋の祖母から受け継いだ自家製だったりした。そうだよね、あんこときなこ、やっぱり私も大好きだ。こうして一度縮めた距離を、これ以上絶対に離すものか、と思っている。

金沢で見つけた、こだわりが詰まったあんこときなこのおやつ6軒。

戸水屋 あんこときなこを巡る旅-金沢。平野紗季子さんが出合った、地元の人が愛する味。
戸水屋_Tomizuya_寺町
寺町の大通り沿いに店を構える、老舗和菓子店。国指定登録有形文化財でもある築100年以上の金澤町家で5 代目夫婦が営んでいる。生菓子のなかでも、賞味期限が当日中の朝生菓子を主に製造販売している。店の裏手にあるカフェ『乗越』と並びにある『ワザナカフェ』では、ここの和菓子のみ持ち込みをすることができる。「出来たてほやほやのおはぎを、お茶やコーヒーと一緒にすぐに食べられるのが嬉しいですね」。夏季のみ販売するくずまんじゅうも人気。▷石川県金沢市寺町2‒3‒1 ☎076‒241‒1890 9:00~18:00(売り切れ次第終了) 水休
写真:店先で注文すると、奥から作りたてのおはぎが出てくるシステム。
戸水屋 あんこときなこを巡る旅-金沢。平野紗季子さんが出合った、地元の人が愛する味。
戸水屋_Tomizuya_寺町
寺町の大通り沿いに店を構える、老舗和菓子店。国指定登録有形文化財でもある築100年以上の金澤町家で5 代目夫婦が営んでいる。生菓子のなかでも、賞味期限が当日中の朝生菓子を主に製造販売している。店の裏手にあるカフェ『乗越』と並びにある『ワザナカフェ』では、ここの和菓子のみ持ち込みをすることができる。「出来たてほやほやのおはぎを、お茶やコーヒーと一緒にすぐに食べられるのが嬉しいですね」。夏季のみ販売するくずまんじゅうも人気。▷石川県金沢市寺町2‒3‒1 ☎076‒241‒1890 9:00~18:00(売り切れ次第終了) 水休
写真:昔ながらの経木(きょうぎ)とオリジナルのレトロな包装紙に手際よく包んでくれる。
豆半 あんこときなこを巡る旅-金沢。平野紗季子さんが出合った、地元の人が愛する味。
豆半_Mamehan_東山
予約制でお茶席用の上生菓子を拵える名店『吉はし』内で展開する、3代目兄弟が新しく作った別路線のブランド〈豆半〉。店舗は夏季のみの営業だが、『吉はし』内とオンラインショップで通年購入可。予約しなくても気軽に買える和菓子をとの思いで始まり、妥協を許さない研究者肌の兄と朗らかな職人肌の弟の名コンビで、自分たちらしい和菓子を追い求めている。「季節のフルーツ大福、夏季限定のかき氷なども展開しているとのことで、ぜひ食べてみたいです」▷石川県金沢市東山2‒2‒2 ☎076‒252‒2634 9:30~17:30(売り切れ次第終了)不定休
写真:凸凸(とつとつ)黄奈粉¥740は、煎ったクルミに黒糖の飴を絡ませたもの。写真のきな粉のほか、抹茶、黒糖、ココアの4 種。
豆半 あんこときなこを巡る旅-金沢。平野紗季子さんが出合った、地元の人が愛する味。
豆半_Mamehan_東山
予約制でお茶席用の上生菓子を拵える名店『吉はし』内で展開する、3代目兄弟が新しく作った別路線のブランド〈豆半〉。店舗は夏季のみの営業だが、『吉はし』内とオンラインショップで通年購入可。予約しなくても気軽に買える和菓子をとの思いで始まり、妥協を許さない研究者肌の兄と朗らかな職人肌の弟の名コンビで、自分たちらしい和菓子を追い求めている。「季節のフルーツ大福、夏季限定のかき氷なども展開しているとのことで、ぜひ食べてみたいです」▷石川県金沢市東山2‒2‒2 ☎076‒252‒2634 9:30~17:30(売り切れ次第終了)不定休
写真:『吉はし』で購入可能。
小窓のしおや あんこときなこを巡る旅-金沢。平野紗季子さんが出合った、地元の人が愛する味。
小窓のしおや Komado No Shioya 増泉
〈甘味こしらえ しおや〉の店主・塩谷美馨(しおたにみか)さんが営む、日曜と月曜限定でオープンするテイクアウト専門店。米粉100%のグルテンフリーの菓子をはじめ、豆かんやおはぎ、タルトにプリン、かき氷など、四季折々の甘味が並ぶ。「あんこは自家製で、渋切りはあまりせず、季節によっての良い塩梅を繊細に調整されるそう。あんこの味加減が優しくて、彼女の人柄そのままですね」。白きなこぼうろのほか、地元の味噌を使ったみそ玉ぼうろも定番。発送、取り置きも可。▷石川県金沢市増泉2‒22‒24 ☎076‒207‒7804 11:00~18:00頃 火~土休
写真:季節のあん豆かん¥580~650。あんこと寒天、4 種の塩豆に旬の果物を。写真は柚子と金柑と柿。
小窓のしおや あんこときなこを巡る旅-金沢。平野紗季子さんが出合った、地元の人が愛する味。
小窓のしおや Komado No Shioya 増泉
〈甘味こしらえ しおや〉の店主・塩谷美馨(しおたにみか)さんが営む、日曜と月曜限定でオープンするテイクアウト専門店。米粉100%のグルテンフリーの菓子をはじめ、豆かんやおはぎ、タルトにプリン、かき氷など、四季折々の甘味が並ぶ。「あんこは自家製で、渋切りはあまりせず、季節によっての良い塩梅を繊細に調整されるそう。あんこの味加減が優しくて、彼女の人柄そのままですね」。白きなこぼうろのほか、地元の味噌を使ったみそ玉ぼうろも定番。発送、取り置きも可。▷石川県金沢市増泉2‒22‒24 ☎076‒207‒7804 11:00~18:00頃 火~土休
写真:昔の煙草店のような小窓越しに買い物をするスタイル。
サロン・ド・テ・カワムラ あんこときなこを巡る旅-金沢。平野紗季子さんが出合った、地元の人が愛する味。
サロン・ド・テ・カワムラ_Salon de thé Kawamura_野町
にし茶屋街にある甘納豆専門店『甘納豆かわむら』の2 階にあるカフェ。毎年9月中旬から6 月頃まで販売される本黒わらび餅は、黒須京きなこと有機きなこを独自の配合でブレンドしたものをたっぷりかけ、波照間産黒蜜とともに提供される。「牛乳も一緒に出てきて、黒蜜きなこラテとして楽しめるのも面白い」。1 階奥には工場もあり、ガラス越しに大きな和釜で豆を炊く様子を見ることができる。▷石川県金沢市野町2‒24‒7 ☎076‒282‒7000 10:00~17:30(17:00LO) 日祝10:00~16:30(16:00LO) 第1 火休 カフェの入店は6 歳以上。予約不可。
写真:煎りの強いきなこをかけた、本黒わらび餅¥1,400。
サロン・ド・テ・カワムラ あんこときなこを巡る旅-金沢。平野紗季子さんが出合った、地元の人が愛する味。
サロン・ド・テ・カワムラ_Salon de thé Kawamura_野町
にし茶屋街にある甘納豆専門店『甘納豆かわむら』の2 階にあるカフェ。毎年9月中旬から6 月頃まで販売される本黒わらび餅は、黒須京きなこと有機きなこを独自の配合でブレンドしたものをたっぷりかけ、波照間産黒蜜とともに提供される。「牛乳も一緒に出てきて、黒蜜きなこラテとして楽しめるのも面白い」。1 階奥には工場もあり、ガラス越しに大きな和釜で豆を炊く様子を見ることができる。▷石川県金沢市野町2‒24‒7 ☎076‒282‒7000 10:00~17:30(17:00LO) 日祝10:00~16:30(16:00LO) 第1 火休 カフェの入店は6 歳以上。予約不可。
写真:1 階奥にはテイクアウトの最中専門店『mame ノマノマ』があり、蔵の前で食べることできる。
カフェダンボ あんこときなこを巡る旅-金沢。平野紗季子さんが出合った、地元の人が愛する味。
カフェダンボ_Cafe Dumbo_香林坊
「こんなにたくさんの焼き菓子を作っているのに、あんドーナツのあんこが自家製と聞いてびっくり。コーヒーにも合う甘さ加減のつぶ餡です」。7 人の子育てをしながら、夫婦で営むニューヨークスタイルのカフェ。妻・小寺美希さんの母の実家は和菓子屋で、あんこの味はそこで働く叔父からアドバイスを受けたという。店には、ケーキやタルトなどが所狭しと並び、テイクアウトもできる。店内飲食はワンドリンクオーダー制。▷石川県金沢市香林坊2‒11‒6 ☎076‒255‒696612:00~18:00 日月祝休(臨時休業もあるのでInstagramで随時確認を)
写真:あんドーナツ1 個¥280。一日に作れる数が限られているので、早めの時間に来店がおすすめ。
カフェダンボ あんこときなこを巡る旅-金沢。平野紗季子さんが出合った、地元の人が愛する味。
カフェダンボ_Cafe Dumbo_香林坊
「こんなにたくさんの焼き菓子を作っているのに、あんドーナツのあんこが自家製と聞いてびっくり。コーヒーにも合う甘さ加減のつぶ餡です」。7 人の子育てをしながら、夫婦で営むニューヨークスタイルのカフェ。妻・小寺美希さんの母の実家は和菓子屋で、あんこの味はそこで働く叔父からアドバイスを受けたという。店には、ケーキやタルトなどが所狭しと並び、テイクアウトもできる。店内飲食はワンドリンクオーダー制。▷石川県金沢市香林坊2‒11‒6 ☎076‒255‒696612:00~18:00 日月祝休(臨時休業もあるのでInstagramで随時確認を)
写真:コーヒーはハンドドリップで淹れてくれる。
越山甘清堂 あんこときなこを巡る旅-金沢。平野紗季子さんが出合った、地元の人が愛する味。
越山甘清堂_Koshiyama Kanseido_尾張町
1888年に甘納豆専門店として創業。砂糖が手に入りやすくなった戦後以降、生菓子も作り始めた。五色生菓子もその頃から。起源自体は江戸時代に遡るといわれ、婚礼や建前などで配られる祝い菓子で、日、月、山、海、里を表した5 種の菓子が詰まっている。「見た目もかわいくて、あんこをいろいろな形で味わえるのも嬉しい。それぞれに込められた意味を知ると、金沢の菓子文化の奥深さにますます興味が湧きました」。五色生菓子は1 週間くらい前までに要予約。▷本店/石川県金沢市尾張町2‒11‒28 ☎076‒255‒6610 9:00~17:30 カフェ10:30~18:00 水休
写真: 上から、饅頭、黄色いもち米をまぶしたいがら餅、羊羹、こし餡入りささらもち、うずら。五色生菓子15個¥2,668(変動あり)。
越山甘清堂 あんこときなこを巡る旅-金沢。平野紗季子さんが出合った、地元の人が愛する味。
越山甘清堂_Koshiyama Kanseido_尾張町
1888年に甘納豆専門店として創業。砂糖が手に入りやすくなった戦後以降、生菓子も作り始めた。五色生菓子もその頃から。起源自体は江戸時代に遡るといわれ、婚礼や建前などで配られる祝い菓子で、日、月、山、海、里を表した5 種の菓子が詰まっている。「見た目もかわいくて、あんこをいろいろな形で味わえるのも嬉しい。それぞれに込められた意味を知ると、金沢の菓子文化の奥深さにますます興味が湧きました」。五色生菓子は1 週間くらい前までに要予約。▷本店/石川県金沢市尾張町2‒11‒28 ☎076‒255‒6610 9:00~17:30 カフェ10:30~18:00 水休
写真: 尾張町の大通り沿い。

Trip to Kanazawa金沢

あんこときなこを巡る旅-金沢。平野紗季子さんが出合った、地元の人が愛する味。

紹介した店以外に、おみやげにしたいおやつはたくさん。金沢駅で買えるのは『圓八』のあんころ餅と『たなつや』のたまきなこ。なかでも、あんころ餅は金沢の人たちにとってのソウルフード的存在。「竹の皮で包まれていて、あんこにもほんのり味が移っているのがいい」。野町『落雁諸江屋 本店』のつぶ餡入り生落雁「万葉の花」もおすすめ。

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photo : Norio Kidera illustration : Sara Kakizaki text : Ayumi Iwamoto

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