LIFESTYLE ベターライフな暮らしのこと。
あの人は、どんな器を使っているのか。
01 インテリアスタイリスト・中里真理子 &Utsuwa 器の基本と、楽しみ方。October 22, 2022
2022年10月5日に発売した「&Utsuwa 器の基本と、楽しみ方。」では、陶磁器やガラスや漆器、古伊万里や世界各国の器など、27人の器好きたちの使い方を紹介しています。そこで、インテリアスタイリストの中里真理子さんが愛するガラスの器の数々を見せていただきました。
GLASSWARE理化学容器から始まったガラス愛。
すべてを美しく引き立てるガラスの艶っぽさ。
丘に沿って立つヴィンテージマンションのリビングからは、大きな窓の外にそのまま空が広がり、さんさんと陽の光が差し込む。
「私にとって光はとても大切なので、大きな窓がある部屋が好き」というスタイリストの中里真理子さん。その大好きな光をより美しく感じさせてくれるのが、「いくつ持っているのかわからない」というガラスの器。
ガラス器を集めだしたきっかけは、10代のときにアメリカで見つけた目盛り付きの小さなビーカー。今もコーヒーのミルクを入れたりなど、ひんぱんに使っている。惹かれた理由は、その機能美。それから同じように装飾のない潔さに美を感じる、試薬瓶やビーカーなどの理化学ガラスを集めるように。それらはリビングにあるガラスのキャビネットの中に収納されているが、飾っているわけではないと、中里さんは言う。
「これらは待機中のもの。花器にしたり、小物を入れる予定ですが、何も入っていなくても集合しているだけで格好いいですよね。それも理化学ガラスの良さだと思います」
食器だけでなく、文房具や書類、ハガキなどもガラス器に。
「中が見えないと、どこにあるのかわからなくなりますし、封印してしまう。中身が丸見えのガラス器なら、放ってはおけず、自主的に片付けをするようになるので、私にピッタリ(笑)。それに存在感があるようでないような軽やかさがあり、領収書とかつまらないものが入っていても空間に馴染むんです」
そして、試薬瓶の茶色を素敵だと思っているうちに、食器はクリアよりも色のあるものが増えていった。
「光が当たったらきれいだろうなぁとか、あの野菜が合いそうなど想像する時間が幸せ。色つきガラスは盛り付けを艶っぽく見せてくれるんです。トーストやビスケットなど、なんでもないものでも、実力以上に見せてくれるので重宝しています」
photo : Taku Kasuya text : Maki Kakimoto edit : Wakako Miyake