MUSIC 心地よい音楽を。

今月の選曲家 akikoJuly 20, 2018

June.20 – July.26, 2018

Saturday Morning

Title.
Love Me Forever
Artist.
Carlton & The Shoes
ロックステディで一番好きな曲は、と聞かれたら、迷わずこの曲を挙げるだろう。ジャマイカで生まれた偉大なコーラス・グループ、Carlton & The Shoesの名曲「Love Me Forever」は1960年代に〈Studio One〉からシングルとして発売され大ヒット。その後1970年代に〈Coxsone〉から出たアルバムも名曲揃いで、遅く目覚めた夏の午後はずっとエンドレスで聴いていたいほど。甘い、とかメロウな、とか、極上の、とか、そんな形容詞はどれも白けてしまうし、そんなふうに表現したくないけれど、演奏もハーモニーも乾いた音の感触も、この「絶妙さ」がたまらない。
アルバム『Love Me Forever』収録。

Sunday Night

Title.
Novia Mia
Artist.
Jose Antonio Mendez
今年の3月、初めてキューバを訪れた。ハバナでも、音楽祭が行われていたサンティアゴ・デ・クーバの街でも、至る所でトレスギターや数々のパーカッションと共に情熱的な歌声が鳴り響いていた。ふと休憩に入ったホテルのラウンジで、ピアノのみで演奏されていた曲にふと耳を奪われた。聴き覚えがあるその曲は、ホセ・アントニオ・メンデスの歌声で昔よく聴いていた曲。夜風が少し涼しくなり始めた頃、鈴虫の音色をバックに。所謂キューバのシンガーのイメージとは少し違う、穏やかでスモーキーな歌声。日曜の夜に聴く美しいキューバのボレロは、こんな声で聴くと身にしみる。
アルバム『Canta Solo Para Enamorados』収録。
&Music / 土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ

&Music / 土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ

音楽好きの“選曲家”たちが月替わりで登場し、土曜の朝と日曜の夜に聴きたい曲を毎週それぞれ1曲ずつセレクトする人気連載をまとめた「&Music」シリーズの第2弾。 23人の選曲家が選んだ、週末を心地よく過ごすための音楽、全200曲。 本書のためだけにまとめた、収録作品のディスクガイド付き。

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ジャズ・シンガー akiko

2001年、名門ジャズレーベル「ヴァーヴ」初の日本人女性シンガーとしてユニバーサルミュージックよりデビュー。既存のジャズの枠に捕われない幅広い音楽活動で人気を博し、現在までに23枚のアルバムを発表。パリ、ロンドン、ニューヨーク、リオデジャネイロ、オスロ、ニューオリンズなど海外でのレコーディングも多く、またヨーロッパでのツアーやジャズフェスティバルなど、国内外で活躍。一方、アパレル・ブランドとのコラボレーションで帽子やワンピースなどのアイテムを展開するなどファション方面でも活躍。また、定期的に声を使ったボイス・ワークショップや、子供のためのジャズワークショップを開催している。更に英国アーユルヴェーダカレッジ日本付属校認定アーユルヴェーダライフスタイリスト、日本ナチュラルヒーリングセンター認定アーユルヴェーダ・ホームケアドクター及びライフコンサルタントの資格を取得し、2013年からはアーユルヴェーダのワークショップやリトリートツアーなども開催している。デビュー15周年となる2016年には5枚組50曲入りのベストアルバム『Elemental Harmony』をリリース。2018年にはジャズ・スタンダードをテーマにしたエッセイ『ジャズを詠む』を出版。

akiko-jazz.com

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