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すっきり心地いい朝を迎えるために、知っておきたい枕のこと。May 01, 2023

2023年4月20日発売の特集「朝を楽しむための28のこと」。陽射しを浴びたり、深呼吸したり、散歩したり、ゆったりと朝食をとったり……。さまざまな視点から、朝を楽しむための28のことを特集しています。朝を楽しむために大切なのは、すっきり心地よい目覚めで1日をスタートさせること。ここでは、いい眠りと心地よい朝を迎えるために、知っておきたい枕のことを紹介します。

すっきり心地いい朝を迎えるために、知っておきたい枕のこと。 朝を楽しむための28のこと。加賀照虎
気持ちのいい朝を迎えるためには、健やかな眠りがまず大切。寝具の見直しを枕から始めて、幸せな朝時間を手に入れたい。

今夜から始めたい、 目覚めのいい朝のための枕のこと。

 寝具にこだわり出せばキリがないが、まずは手持ちの枕に工夫を施すだけでも快眠に効くという。睡眠と枕の関係に詳しい加賀照虎さんに聞いた。

「そもそも枕の役割は寝姿勢を正しくするためのものなんです。寝入りばな、理想的な寝姿勢をつくることができると、6 ㎏以上あるといわれる頭の重さを分散でき、頭や首、肩に片寄った負荷がかかるのを防ぐことができます。反対に、寝姿勢が悪いまま入眠すると、不快さから寝返りを繰り返すことに。目覚めには疲労感が残ります」

 スマートフォンなどで自分の寝姿を撮影するといいそう。頭だけを枕にのせていないか、首の後ろにすき間がないかを確認する。

「すき間があるなら、枕の使い方が誤っています。仰向けに寝る人なら、頭の傾斜が10~15度に、横向きに寝る人は頚椎がマットレスと平行になるのが理想的な寝姿勢。頭部から肩甲骨のあたりまでの凹凸に枕をあてがうようにして、この寝姿勢を探りあててください。手持ちの枕では高すぎる、大きさが足りない、フィット感が得られないと思っても、買い替えるのは早計です。フェザーやダウン、小豆やそば殻、パイプといった表から触れて動く素材の枕であれば、成形し直します。フェイスタオルを畳んで添えて、小ささや薄さを補い、すき間を埋めてみても案外うまくいくはずです」

 どんなにいい寝姿勢をつくれても、いつもの枕に触れられなくなると、ストレスを感じる人も。「そんなことからも、使い慣れた枕の過不足を調整し、理想の枕に近づけていくことから始めてみることをおすすめします」

すっきり心地いい朝を迎えるための枕の条件とは。

すっきり心地いい朝を迎えるために、知っておきたい枕のこと。 朝を楽しむための28のこと。加賀照虎
1.理想的な寝姿勢をつくれる。
頚椎(頭を支えている首の骨)と背骨に負担がかからない姿勢が、リラックスできる理想的な寝姿勢といわれ、イメージするとわかりやすいのは、正しい立ち姿勢のまま横になったところ。仰向けならば、マットレスに対して頭の傾斜が10~15度、横向きならば、頚椎がマットレスと平行になる状態で、その姿勢を叶えられる高さの枕が自分に合っている。
すっきり心地いい朝を迎えるために、知っておきたい枕のこと。 朝を楽しむための28のこと。
2.頭から肩甲骨の上部までのせられる。
頭だけでなく、肩甲骨あたりまでを枕にのせて寝ると、頭圧分散性が高められて=頭の重さを分散させられて、ラク。就寝中、頭が枕から落ちると無理な姿勢になりやすく、寝返りも打ちにくくなるため、横幅にも余裕があるとなおいい。目安になるのは、国内ではポピュラーな43×63㎝サイズ。よほど大柄な人でない限り、前述の条件で使いやすい。
すっきり心地いい朝を迎えるために、知っておきたい枕のこと。 朝を楽しむための28のこと。
3.マットレスとのすき間を埋められる。
首の後ろにできるすき間をそのままにして寝ると、首や肩の緊張がほぐれず、自然な呼吸がしにくくなる。枕はそのすき間を埋める役割も持つ。フィット感のある枕を選ぶのも一手。あるいは、手持ちの枕が羽毛や綿、そば殻やポリエチレンパイプといった成形可能な素材の入ったものならば、中身を寄せたり凹ませたりし、自分に合うよう成形して使う。
すっきり心地いい朝を迎えるために、知っておきたい枕のこと。 朝を楽しむための28のこと。加賀照虎
4.脳温の高低を妨げない。
人は活動する日中は脳を高い温度に保ち、眠気が強まる夜になると、体から放熱しながらその温度を急速に冷ましていく。脳の温度(脳温)が順調に低下すれば、スムーズに入眠でき、朝になり、再び脳温が上がっていくと、目覚める仕組み。放熱性や吸放湿性に優れた枕でそういった身体機能をサポートすることも、目覚めのいい朝を迎えることに繋がる。

教えてくれた人
加賀照虎 Hidora Kaga
60年以上の歴史を持つ寝具メーカーに勤務しながら睡眠健康指導士の上級資格を取得。テレビや雑誌に加え、自身が運営するWEBメディア『快眠タイムズ』にて快眠、寝具情報を発信する。人間工学、睡眠学に基づいた寝具の開発も。

photo : Hisashi Ogawa styling : Nami Kagiyama illustration : Shapre edit & text : Koba.A cooperation : UTUWA

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