MUSIC 心地よい音楽を。

DJとモーニング。グッドミュージックと朝食を目がけ、土曜8時に鎌倉へ。May 24, 2023

2023年4月20日発売の特集「朝を楽しむための28のこと」。陽射しを浴びたり、深呼吸したり、散歩したり、ゆったりと朝食をとったり……。さまざまな視点から、朝を楽しむための28のことを特集しています。ここでは、グッドミュージックと朝食を目がけ、土曜8時に鎌倉へ。『POMPON CAKES BLVD.』で、DJとモーニングのいい関係を探してきました。ページの最後には、店を訪れた日のプレイリスト付き。グットミュージックと合わせてお楽しみください。

DJとモーニング。グッドミュージック 朝食 鎌倉 朝を楽しむための28のこと POMPON CAKES BLVD.ポンポンケークスブールバード
近所のファミリーが朝食を楽しむ脇で、DJプレイ中の矢澤和久さん。「かかっている曲をきっかけにお客さんと会話ができたらと、プレイ中のレコードジャケットはスピーカーの上に」

ローカルで埋まるカフェをフロアに、 日常の延長線上で楽しむDJプレイ。

 鎌倉の閑静な住宅街に佇む『ポンポンケークスブールバード』は、素朴な味わいのケーキ目当てに週末には行列のできるケーキショップ&カフェ。ただ、水曜日から土曜日の朝のモーニングタイムは、ローカルの人ばかりが訪れる穏やかな時間。それでいて、土曜日は特別。11時までDJプレイを楽しめるのだ。週替わりで3 人のDJがレコードを回しており、この日の担当の矢澤和久さんは6年前から月に2回ほどブースに立っている。

「お客さんには自宅でくつろぐような感覚で過ごしてもらいたくて」と、自身が家で聴きたいレコードをセレクト。フォークの名盤や近年のジャジーヒップホップなど、ジャンルを跨ぎながら心地いい選曲が続く。

「’90年代後半からの流れである、いわゆる〝カフェミュージック〞にハマる新しい曲を見つけて、選曲をアップデートしています。この店のモットーでもある“Traditionally new.”、つまり昔ながらのよさがある今のものを」

 DJ歴は約20年になるが、朝からプレイするのはこの店くらいだという。そもそもどうして始めたのか? 店主の立道嶺央さんに聞くと、旅先での体験がヒントになっていた。「ポートランドやメルボルンには、朝ごはんを食べてコーヒーを飲み、音楽が聴けるカフェがたくさんありました。辺りに暮らす人たちが集まっていて、自分の店もそうできたらなって」。訪れるカップルやファミリーとちょっとした会話を交わす立道さんを見ていると、その理想は叶っているように見える。

「DJがセレクトする気持ちのいい音楽を、日常の延長線上で楽しんでもらえたら嬉しいです」

POMPON CAKES BLVD.
神奈川県鎌倉市梶原4‒1‒6‒101 ☎0467‒33‒4746 8:00~18:00(水~土はモーニング8:00~11:00 日火11:00~) 月、最終日曜休ほか不定休 DJプレイは土曜日のモーニングタイムのみ。鎌倉駅前でギャラリー兼ショップの立ち上げを計画中。

DJとモーニング。グッドミュージック 朝食 鎌倉 朝を楽しむための28のこと POMPON CAKES BLVD.ポンポンケークスブールバード
キッシュがメインのモーニングセット¥1,320。オーガニック野菜と、おかわり自由のコーヒーも。メインはトーストかグラノーラも選べる。
DJとモーニング。グッドミュージック 朝食 鎌倉 朝を楽しむための28のこと POMPON CAKES BLVD.ポンポンケークスブールバード
名物のレモンケーキ¥330。
DJとモーニング。グッドミュージック 朝食 鎌倉 朝を楽しむための28のこと POMPON CAKES BLVD.ポンポンケークスブールバード
DJブースの脇ではチーズケーキ¥572(1カット)を準備中。
DJとモーニング。グッドミュージック 朝食 鎌倉 朝を楽しむための28のこと POMPON CAKES BLVD.ポンポンケークスブールバード
ブラジリアンジャズの名盤、The G/ 9 Group『Brazil Now!』。The Beatles「Lady Madonna」のカバーを選曲。

店を訪れた3月25日のセットリスト。

1.Haven’t We Met?
Kenny Rankin

2.Sunlight
Doris Abrahams

3.Both Sides Now
Joni Mitchell

4.Somewhere Over The Rainbow
Greetje Kauffeld

5.Now
Dave Mackay & Vicky Hamilton

6.Rocky Trail
Kings Of Convenience

7.Your Arms Around Me Now
Rebecca Martin

8.One Way Or The Other
The Fifth Avenue Band

9.Goodbye Rocketship
Maya Hawke

10.Candomblé
Mário Castro Neves & Samba S.A.

11.Batida Diferente
Tamba Trio

12.Lady Madonna
The G/9 Group

13.Flor De Lis
Djavan

14.Don’t Let Me Fall
Cleo Sol

15.No Peace feat. Tom Misch
Alfa Mist

16.Coffee Princess
Nitsua

17.If You Wanna
J.Lamotta Suzume

18.TwO
Silas Short

19.Sunny
Os 3 Morais

20.The Real Guitarist In The House
Irene Sjögren Quintet

21.Lonely Lie
Aura Urziceanu

22.My Favorite Things
John Coltrane

23.A Wonderful Day Like Today
Jan Eriksson

24.Que Maravilha
Eliana Pittman

25.Céu E Mar
Pedrinho Mattar E Seu Conjunto

26.Essa Mare
Ivan Lins

27.Haven’t We Met
Carol Kidd

28.The Facts About Max
Marty Paich

29.Clarissa
Céu Da Boca

30.Olha O Que Ela Fez
Eduardo Gudin & Jane Morais

31.Desesperar, Jamais
Viva Voz

32.Chega De Saudade
João Gilberto

取材時にかかった楽曲の一部を紹介。まどろみの中にいるようなケニー・ランキンのスウィートな声に、爽やかに朝を告げるフィフス・アヴェニュー・バンドのサウンドは8時台。席が埋まり始める9 時台からは、クレオ・ソルなどややトーンを抑えた楽曲も加わる。「お客さんが足でリズムを取る様子を感じながら、次の曲を選びます」と矢澤さん。

photo : Ayumi Yamamoto text : Ryota Mukai

Pick Up 注目の記事

Latest Issue 最新号

Latest Issuepremium No. 133カフェと音楽。2024.11.20 — 960円