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Revolution Books レボリューションブックス


Book 71 / June 09, 2017 『ミザンプラス講座』ドミニク・コルビ(柴田書店)

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料理屋の料理と家庭の料理の違い、それはメソッドの有無である。しかるべき技術をもって、しかるべき手順を踏んでいること。それが料理屋の料理だ。「ミザンプラス」とはフランス料理において、下ごしらえのメソッドを意味する。素材を料理へと導く最初の地図。知らなくてもよい事を知っていると、ほんの少し世界が豊かで楽しいものになる気がした。


Book 70 / June 02, 2017 『脂肪の歴史』ミシェル・フィリホプ 著 服部千佳子訳(原書房)

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はて、脂肪に歴史なんてあるのかしら。アブラはアブラでしょ、いつの時代も。いや、脂肪にだってあるのだ。毀誉褒貶(きよほうへん)、紆余曲折が。いつの時代からだったか、痩せていることが良しとされ始めたのは。土偶のあの豊満な肉体をみよ。かつて脂肪は富の象徴であった。さすれば、たまにはトンカツでも食べて身体に油を差すのも悪くないと思わされる。


Book 69 / May 26, 2017 『味なメニュー』 平松洋子(幻冬社)

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あくまで、メニュー。日本語でいうと品書き。平松さんはメニューは文学であると言う。文字で構成された物は全て文学たり得る。いや、たしかに、自分も品書きに書かれた文字を愛おしく丁寧に、時に興奮とともに読んでいるではないか。(その熱量は腹加減や店への期待値に若干左右されはするが。)平松さんはメニューの行間を読み取り、店の懐深くへと取材の手を伸ばす。メニューは文学である。迂闊だった、食事の楽しみは、もう既に始まっていたのだ。


Book 68 / May 19, 2017 『君がいない夜のごはん』 穂村弘(NHK出版)

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歌人である穂村さんは、自らを“世界音痴”と評し、世界と自身の間にあるズレを敏感に感じ取っている。穂村さんの面白いところは、ただズレているだけでなく、そのズレと生真面目に向き合おうとする事だ。お皿の裏を洗おうなんて思ってもみなかったり、グレープフルーツをクルクル回して賞味期限を探してみたり。でも、それはただ漫然と食と関わるより、ずっと食事の時間を楽しい物にするのかもしれないと、時々羨ましくなる。


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京都にある食の本専門書店。日本中の酒場を巡り、たくさんの酒場文化、ひいては食文化に触れてきたオーナーの店は、本とともに酒肴一式、シングルオリジンの珈琲を提供するユニークなスタイルだ。
http://revolutionbooks.jp/ 京都市下京区西木屋町通船頭町235番地 集まりC号