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mishimasha books ミシマ社の本屋さん


Book 39 / October 07, 2016 『島の美容室』福岡耕造(ボーダーインク)

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島の太陽と、人々の日常を集めた写真集。沖縄の小さな島で月に10日間だけ開かれる美容室がある。その美容師は茨城から毎月飛行機に乗ってやってくるという。そんな美容師に惚れ込んだ写真家が見た、髪を整えに通ってくる島の人々のちょっと戸惑ったような、でもすこし誇らしげな、そしてすごくうれしそうな表情。ちょっとだけ特別な一日がやさしく一枚一枚の写真に切り取られる。眺めているだけで髪を切りに行く日が待ち遠しくなる。あー、髪切りたい。
(鳥居貴彦・選)


Book 38 / September 30, 2016 『小さなユリと』黒田三郎(夏葉社)

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そのかわいらしい佇まいもふくめて復刊された、詩人・黒田三郎の代表的な詩集。すっと手になじむ小さな本。小さなユリと、オトーチャマのふたりで過ごす夕方の30分。機嫌よく遊んでいたかと思えば泣きわめき、罵りあい、それでも静かに食卓を囲む。小さな洗濯物を干し、風邪の看病をし、手をつないで散歩する。そんな日々の一瞬一瞬が詩人の目によってすくい取られ、言葉になり、読むものの日常に響く。自分はどうだろうか。こんなにていねいに一日を過ごせているだろうか。思わず自問してしまう。小さな相棒はいなくとも。
(鳥居貴彦・選)


Book 37 / September 23, 2016 『人生、行きがかりじょう 全部ゆるしてゴキゲンに』バッキー井上(ミシマ社)

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毎日をゴキゲンに生きるための合言葉は、「行きがかりじょう」。これは、目の前に現れるものすべてにポジティブな反応をするという心構え、そして優れた戦法です。実践しているのは、画家・踊り子を経て、現在、漬物屋店主・居酒屋店主・酒場ライターであるバッキー井上さん。“磯辺の生き物”的な生き方を愛し、ご自身は”森のキノコ”と語るバッキーさんの話を聞いていると、小さなことでウジウジ悩んでいるのが馬鹿らしくなってきます。そう、人はこういうふうに生きていくこともできる。ささやかな幸せが、磯辺の風とともに香ってくる一冊です。
(田渕洋二郎・選)


Book 36 / September 16, 2016 『住宅巡礼・ふたたび』中村好文(筑摩書房)

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住吉の長屋、イームズ夫婦の家、ケアホルム自邸……。世界中の名作といわれる住宅を、建築家の中村好文さんが訪ね歩く『住宅巡礼』の二作目。建築にはまったく詳しくない私だけれど、中村好文さんの「この家ほんとうに素敵なんです、ほら!」という気持ちが溢れまくっている文章とイラスト、あと手描きの文字がなんとも言えず、何度読んでも眺めても飽きません。毎日あたりまえのように帰っている自分の家までもがいつの間にか可愛く見えてきて住むこと、そこに暮らすことを慈しめる自分でありたいと読むたびに思うのです。
(新居未希・選)


mishimasha books ミシマ社の本屋さん

出版社・ミシマ社が運営する「ミシマ社の本屋さん」。京都・神宮・川端通沿いの細い路地にある一軒家の一階で、毎週金曜日と月に一度どこかの土曜日にオープンしている。ミシマ社が出版している書籍がずらりと並ぶほか、スタッフがセレクトした他社の新刊、Tシャツ、エコバック、手ぬぐいなどのオリジナルグッズも揃う。
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