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Book

HISHIGATA BUNKO ヒシガタ文庫


選・文 / ヒシガタ文庫 / October 17, 2019 本屋が届けるベターライフブックス。『熊彫〜義親さんと木彫りの熊〜』(凹プレス+ELVIS PRESS)

北海道で生まれ育った私にとって、木彫り熊は土産物屋で見かける定番の置物で、気に留めたこともないくらいの品だった。諸説ある中で本書では北海道八雲町を発祥とし、「八雲の熊彫」について、ルーツや作り手の思いを、周囲の人々へのインタビューと作品の写真を交えながら紹介していく。
近年北海道では、セレクトショップや、複数の出店者が集うイベントで看板的な位置に置く光景を目にする機会が増えている。マットな質感のもの、無着色のもの、抽象的なデザインのものなど、土産物屋で見ていたそれとはイメージが異なり、愛らしくモダンである。時を経ても工芸品としての魅力を放つ熊彫と、その歴史を知ることができる興味深い一冊。(谷尾苑香)


選・文 / ヒシガタ文庫 / October 10, 2019 本屋が届けるベターライフブックス。『あたしとあなた』谷川俊太郎 著(ナナロク社)

しっとりとした質感のやわらかなブルーの頁をめくるごとに、様々な「あたし」と「あなた」が登場します。37通りの二人は、恋人であったり友人であったり家族であったり赤の他人であったり。他者との関係性やシチュエーション、情景を想像させ、その時々の気分や状況で、思い浮かべる「あなた」や、共感できる「あたし」が変化していきます。この本のためだけに作られたブルーの紙や、手作業で一色ずつ箔押しされた布張りの装丁に、こだわりの深さと職人技を感じる、まさに工芸品と呼べる美しい詩集です。(谷尾苑香)


選・文 / ヒシガタ文庫 / October 03, 2019 本屋が届けるベターライフブックス。『あいうえおの本』安野光雅 著(福音館書店)

この絵本が出版された1976年、わたしは1歳だった。母から贈られたこの絵本は、今、4歳になる息子の愛読書に。当時の我が家には、表紙に描かれたような木の箪笥があり、記憶と共に深く心に残っている絵本。左頁には、木目までしっかりと描かれた美しい「ひらがな」。右頁には、その文字に関連する緻密な絵が描かれている。絵馬やお面、蚊取り線香にそろばん。美しい日本の文字と共に、日本の伝統的な形が結びつけられている。背景に描かれたドローイングの中に隠れている絵のしかけも魅力。きっと、息子には、見たこともない景色が広がっているはずだが、楽しそうに頁をめくる。「ことば」以上に、美しい日本の文字と伝統に出逢う絵本です。(本間真理)


選・文 / ヒシガタ文庫 / September 26, 2019 本屋が届けるベターライフブックス。『Stuben Magazine 04』(ウバシ プロダクション)

北海道が世界に誇るスキーリゾート地・ニセコ発信のスノーカルチャーマガジン。第4号は、白銀の世界を思わせる真っ白な表紙に、箔押しされたシルバー色のタイトルが美しい印象的な表紙。スキーヤーであり、写真家の渡辺洋一さんが中心となり、歴史ある日本の“滑走文化”を誇りに、雪国からの感性、創造力を発信しているマガジンです。
タイトルの語源「Stube」とは、人々が暖炉の火に集い語り合う空間のこと。美しい写真と共に、長い時間をかけて丁寧に取材した文章も魅力。雪や自然の美しさを感じることができる1冊です。(本間真理)


HISHIGATA BUNKO ヒシガタ文庫

北海道・札幌で雑貨と本をセレクトするショップを展開する「ヒシガタ文庫」。毎日が愉しくなるような遊び心溢れる雑貨やクラフト、手仕事の道具、選りすぐりの本を紹介している。
北海道札幌市東区北25条東8丁目2-1(ダイヤ書房内)
http://hishigatabunko.com/