台湾スイーツ食べ比べ
洗練された味わいの月餅と緑豆糕。【台湾スイーツ食べ比べ】October 20, 2025


カフェとしては珍しいオリジナルの月餅。
日用品ブランドが経営するカフェで、市内に2店舗ある。店主の一人であるスモールさんは子どもの頃から伝統菓子が好きだったそうで、開業時に「コーヒーにも月餅はマッチするはず」と思い、ベテラン菓子職人に依頼。昔ながらのラードではなく、フランス産発酵バターを使用し、軽やかな食感を実現させている。アヒルの塩漬け卵の黄身を使用したものは2種類。冬瓜入りのパイナップルジャムに混ぜた「鳳凰酥」と、タロイモペーストに加えた「芋泥蛋黃酥」。さらにメロンパンのような形で、餡に肉でんぶを入れた変わり種の「菠蘿肉鬆餅」もある。いずれも甘さと塩気が絶妙だ。なお、菠蘿肉鬆餅以外は日本への持ち帰りも可。レトロで可愛い箱に入っているのでお土産にも最適。
トワトゥーティアン・コーヒー・アンド・シーオー
建國店/台北市中山區建國北路一段136號 ☎02−2506−3698 8:00~18:00 土日9:00~18:30 無休 鳳凰酥50元、芋泥蛋黃酥85元、菠蘿肉鬆餅75元。


5種類の素材を餡に用いた進化形「緑豆糕」。
街路樹が自慢の民生社區にあるティーサロン。各地の茶農家から仕入れた良質な台湾茶のほか、手の込んだお茶請けが人気を集めている。看板商品は「秘製綠豆糕」。緑豆糕とは緑豆粉をラードで固めたものだが、ここでは緑豆糕を篩にかけてきめ細かくした後、バターを加えている。このため、しっとりとクリーミーな味わいに仕上がっており、口の中で溶けていくかのような食感となっている。通常は餡ナシか、または小豆餡かゴマ餡が定番だが、こちらは棗あんやクランベリー、松の実、クルミ、求肥を加え、味や食感の変化を楽しめるように工夫。店主の許さんが菓子職人とともに試行錯誤を重ねたもので、今やヒット商品に。窓外の緑を眺めながらこだわりの台湾茶と一緒に味わいたい。
カイメンツァータン
台北市松山區民生東路四段80巷1弄3號1樓 ☎02−2719−9519 11:00~20:30(土日~18:30) 火休 秘製綠豆糕45元。台湾茶は11種類ほど。

文/片倉真理 写真/片倉佳史
※この記事は、No. 143 2025年11月号「&Taipei」に掲載されたものです。
台北在住ライター・コーディネーター 片倉 真理
