台湾スイーツ食べ比べ
客家式や福建式など、種類豊富な台湾のお餅。【&Taipei 台湾スイーツ食べ比べ 】January 16, 2023
客家の女性が手がける手作り餅。驚きの軟らかさ。
中山市場内の一角にブースを構える小さな店。もち米や在来米を用いた伝統食品がずらりと並ぶが、看板商品は客家スタイルのお餅。注文すると、店主の廖寶桂(リャオ・バオグェイ)さんが丁寧に一つ一つ餡を包んでくれる。餡はゴマとピーナッツ粉と小豆の3種類。小豆は屏東県萬丹のものにこだわる。ピーナッツ粉とゴマは香りのいいものを選び、外側にもたっぷりとまぶしている。廖さんはこの道45年の大ベテラン。台中郊外の客家集落、東勢の出身で、幼少の頃から母親たちが作るのを手伝っていたという。もち米を水に浸すところから始め、ふわっと真綿のような軟らかい食感に仕上げている。一度食べたら忘れられない味で、故郷を懐かしんで訪れる客家人の姿も少なくない。1 個10元という安さも魅力。
ツォンサンソウコンマーシューホントウタン
台北市中山區長安西路3 號(中山市場1F28號)☎02‒2551‒4451 7:00~17:00頃 月休 わらび餅に似た「黒糖粉粿」も人気。
ラー油味も! 挑戦を続ける老舗が作る絶品の餅。
1951年創業の甘味処。お汁粉からかき氷まで様々なデザートを楽しめるが、この店の顔となっているのは「燒麻」だ。1 代目が中国・福州出身の人から習ったという秘法を今も守っている。ヒマワリ油をたっぷりと入れた鍋の中で20分ほど煮込むお餅は照りがいい上に弾力性がある。もち米なので油は浸み込まず、さっぱりしている代わりに歯ごたえのある食感が生まれる。また、新米ではなく、1 年半ほど寝かせたもち米を使用し、火加減を上手に調整しているというのもポイント。ここではピーナッツ粉とゴマと砂糖をまぶしたものだけでなく、海苔と大豆のふりかけをのせたものや、自家製ラー油を絡めたものもある。ラー油とお餅は意外に思えるほど相性がいいので、ぜひお試しを。
スワンリエンユエンツァイタン
台北市大同區民生西路136號 ☎02‒2559‒7595 10:30~21:30 無休 1 個50元、2 個90元。2階には広々としたテーブル席がある。
文/片倉真理 写真/片倉佳史
※この記事は、No. 110 2023年2月号「&Taipei」に掲載されたものです。