&Taipei 台北の日用品探索
職人による手彫り跡が美しい、木の器。&Taipei 台北の日用品探索 Vol.11October 30, 2024
職人による手彫り跡が美しい、木の器。
1926年創業、100年近く続く老舗の木彫り彫刻工房。時は日本統治時代、初代の陳珍年さんは10歳で職人になり、日本人向けに仏壇や木魚、欄間を作っていたという。現在は、台南の孔子廟や故宮博物院などに木彫りの看板を提供してきた2代目の陳文才(チェン・ウェンツァイ)さんと、3代目の陳希彥(チェン・シーイェン)さん・韓惠菁(ハン・ホイチン)さん夫婦が協力し合い、現代のライフスタイルに合ったプロダクトを開発し、人気を博している。手彫りの模様が美しい各種器類は、陳文才さん曰く「伝統工芸の味わいを残しながら、新しい発想で作った」人気のアイテムだ。ドイツ製の天然植物性オイルで仕上げられ、その美しさが一層際立つ。普段は台中の工房でのみ販売されているが、台北でも時折展示販売会が開催される。
近藤 弥生子台北在住ライター
台北在住の編集・ライター。カルチャー界隈からオードリー・タンまで、生活者目線で取材し続ける。著書に『オードリー・タンの思考 IQよりも大切なこと』(ブックマン社)、『オードリー・タン母の手記「成長戦争」自分、そして世界との和解』(KADOKAWA)がある。
photo & text : Yaeko Kondo