モデル・小谷実由としらすのペロリな日々。
お客様、オーバーラゲッジです。モデル・小谷実由としらすのペロリな日々。 vol.15December 20, 2022
普段はいくらかまわれてもドライな反応ばかりを見せるしらす。ただ、出張などで同居人が荷造りをしていると、すごく怪訝そうな顔で遠くから視線を送ってきたり、スーツケースの周りをうろついたりする。一応、家を空ける数日前から言葉で説明したりもしているし、同居人が全員家を空けるときは別宅(同居人の実家)に滞在してもらうのでひとりきりにしたりはしません。それでも彼はスーツケースの存在を見つけると必ず怪訝そうな顔で見てくる。一度、しらすの監視下にない別室で荷造りを済ませ、見つからないように静かにそーっとスーツケースを転がしながら玄関まで運ぶことにも成功したけど、その数分後、玄関にあるスーツケースを発見した時の「どうして、いつの間に」というしらすの顔はなかなかの眼力だった。
毎度怪訝そうな顔で見送られ(大体は見送りに来るのに、あからさまに物陰に隠れて見送らなかったこともある)、悲しい気持ちを堪えながら同居人は出張に行く。夜はどうしているかと心配で、同居人Bにテレビ電話をかけて様子を伺うと、玄関の方を見つめてじっとしていたりもする。ドライ猫なりの愛情表現なのだろうか、遠回りすぎて愛おしい。
そんなわけで仕事を終え、一秒でも早く帰ろうと家路を急ぐ。そんな努力も虚しく帰宅してもいつも通りの「あー、帰ってたんだ」というドライ加減。あの静かに燃えるジェラシーのような愛情表現はどこへやら。しかし先日、荷物を片付ける途中でスーツケースを開きっぱなしにして別の用事をしていたら、ガサガサッと物音が……。気付けばすっぽりとスーツケースに我が物顔でイン。これでもう大丈夫だ(何が)な顔をしている。愛くるしい姿と寂しい思いをさせてしまったのかなぁという勝手な思い込みで、ごめんよ、もうどこも行かないから大丈夫だよ~。とおいおいと泣いてしまいそうになった同居人なのでした。
後日、まじまじとスーツケースにインした写真を見返していると、じわりじわりと笑えてきた。すっぽり収まっていたように思ったけど、全然収まっていないではないか。お客様、オーバーラゲッジです。