季節の花と緑を贈る、12か月の歳時記。
チューリップ、ポピー…。平井かずみさんが選ぶ、3月の贈り花。March 02, 2025
色とりどりに開花する、花のシーズンの訪れ。
春分の日を迎え、春彼岸の期間でもある3月は、水もぬるみ、暖かな日が多くなってくる。各地で花が咲き始め、桜の固い蕾も徐々に膨らんでくる。一方で卒業式があったり、年度末だったりと、何かと忙しくなりがち。ちょっとブレイクしてもらうためにも優しい気持ちになる花をプレゼント。
チューリップ
Tulipa gesneriana
万人に愛される、花の代名詞的存在。
科名／ユリ 原産地／小アジア、北アフリカ。誰もが知っているもっとも有名な花のひとつ。「咲いた、咲いた」で始まる唱歌は、今も歌い継がれている名曲だ。「市場には10月から並んでいますが、種類が一番揃うのが3月。毎年、新しい品種が次々と出てくるので、それを知るのも楽しい。17世紀にはオランダでチューリップバブルが起こったりなど、経済に影響を与えたほど魅力的な花。球根植物で扱いが本当に楽なので、贈られたほうも気負わずに飾ることができます。ご挨拶代わりにプレゼントを」
科名／ユリ 原産地／小アジア、北アフリカ。誰もが知っているもっとも有名な花のひとつ。「咲いた、咲いた」で始まる唱歌は、今も歌い継がれている名曲だ。「市場には10月から並んでいますが、種類が一番揃うのが3月。毎年、新しい品種が次々と出てくるので、それを知るのも楽しい。17世紀にはオランダでチューリップバブルが起こったりなど、経済に影響を与えたほど魅力的な花。球根植物で扱いが本当に楽なので、贈られたほうも気負わずに飾ることができます。ご挨拶代わりにプレゼントを」
フリチラリア インペリアリス
Fritillaria imperialis
サプライズで喜ばせたいときに重宝。
科名／ユリ 原産地／中近東。下向きに咲く姿が王冠に似ていると、王冠ユリとの別名もある。インペリアリスという品種名は、初めて栽培された場所がウィーン王家の庭だったことに由来するといわれる。「それほど知られていない花なので、相手をハッとさせたいときに選びます。一本あげるだけでも印象的で、サプライズになる感じです。球根植物だから、こちらも手入れが楽。仕事が忙しくてあまり手はかけられないけれど、変わったものが好き、という方に喜ばれると思います」
科名／ユリ 原産地／中近東。下向きに咲く姿が王冠に似ていると、王冠ユリとの別名もある。インペリアリスという品種名は、初めて栽培された場所がウィーン王家の庭だったことに由来するといわれる。「それほど知られていない花なので、相手をハッとさせたいときに選びます。一本あげるだけでも印象的で、サプライズになる感じです。球根植物だから、こちらも手入れが楽。仕事が忙しくてあまり手はかけられないけれど、変わったものが好き、という方に喜ばれると思います」
ラケナリア
Lachenalia
手土産と一緒に花束にしたい。
科名／ユリ 原産地／南アフリカ。穂状に連なって咲く球根植物。上向きに咲くタイプと垂れ下がるように下向きに咲くタイプがある。「マニアックですが、プスツラータという品種は葉っぱにプツプツした突起があるのが特徴です。ほかにもさまざまな品種があり、色のバリエーションもあるので好みに合わせて。草丈が短いので、単体ではなく、小さな花束にするのがおすすめ。おうちに招かれたときの手土産のワインやケーキに添えると、スタイリッシュにお渡しできます」
科名／ユリ 原産地／南アフリカ。穂状に連なって咲く球根植物。上向きに咲くタイプと垂れ下がるように下向きに咲くタイプがある。「マニアックですが、プスツラータという品種は葉っぱにプツプツした突起があるのが特徴です。ほかにもさまざまな品種があり、色のバリエーションもあるので好みに合わせて。草丈が短いので、単体ではなく、小さな花束にするのがおすすめ。おうちに招かれたときの手土産のワインやケーキに添えると、スタイリッシュにお渡しできます」
パンジー
Viola × wittrockiana
こっちを向いているようなキュートな姿に感激。
科名／スミレ 原産地／ヨーロッパ、西アジア。フリルのような花びらがついた可憐な佇まいで、ガーデニングでも人気の花。花の大きなものがパンジー、小さなものがビオラと呼ばれている。「花が顔みたいで無条件にかわいい。こんにちは！と真っ正面を向いているものもあれば、うつむいているものもあったり。表情が豊かなので自然と笑みがこぼれます。庭やプランターで育てている人も多いと思うので、ちょっと家から摘んできました、という感じで、その辺の紙で包むくらいラフに贈りたい」
科名／スミレ 原産地／ヨーロッパ、西アジア。フリルのような花びらがついた可憐な佇まいで、ガーデニングでも人気の花。花の大きなものがパンジー、小さなものがビオラと呼ばれている。「花が顔みたいで無条件にかわいい。こんにちは！と真っ正面を向いているものもあれば、うつむいているものもあったり。表情が豊かなので自然と笑みがこぼれます。庭やプランターで育てている人も多いと思うので、ちょっと家から摘んできました、という感じで、その辺の紙で包むくらいラフに贈りたい」
ポピー
Papaver nudicaule
上を向いて咲く、自由と元気のシンボル。
科名／ケシ 原産地／シベリア、ヨーロッパ。ひらひらとした薄い花びらで、風になびく様子も春らしい風景を感じさせる。和名はヒナゲシ。開花すると上を向く。「一株から複数の花が咲きます。蕾だと何色が咲くかわからないので、蕾もブーケに入れておくと楽しみがアップ。真上を向いて咲く姿は元気が出るので、これから何かをスタートする方に差し上げたいです。茎が細くて動きもクネクネしていて自由。なので、自由に次の世界に向かってステップアップしてください、というエールを込めて」
科名／ケシ 原産地／シベリア、ヨーロッパ。ひらひらとした薄い花びらで、風になびく様子も春らしい風景を感じさせる。和名はヒナゲシ。開花すると上を向く。「一株から複数の花が咲きます。蕾だと何色が咲くかわからないので、蕾もブーケに入れておくと楽しみがアップ。真上を向いて咲く姿は元気が出るので、これから何かをスタートする方に差し上げたいです。茎が細くて動きもクネクネしていて自由。なので、自由に次の世界に向かってステップアップしてください、というエールを込めて」
平井かずみ Kazumi Hiraiフラワースタイリスト
草花が身近に感じられる、暮らしに根付いた日常花を提案。東京・恵比寿のアトリエ「皓SIROI」を拠点に、日本全国で花の教室をはじめとしたワークショップや展示を開催。著書に『あなたの暮らしに似合う花』『花のしつらい、暮らしの景色』（ともに扶桑社）など。
illustration : Shinji Abe (karera) edit & text : Wakako Miyake
参考文献：『花屋さんで人気の469種 決定版 花図鑑』（西東社）、『花の名前、品種、花色でみつける 切り花図鑑』（山と溪谷社）
