季節の花と緑を贈る、12か月の歳時記。
ツバキ、アネモネ…。平井かずみさんが選ぶ、1月の贈り花。January 05, 2025
今年一年の過ごし方が決まる、大切にしたい始まりの月。
一年のスタートは新鮮さもひとしお。冷たい風の吹く季節だが、キリッと澄んだ空気が前向きな気持ちをあと押ししてくれる。外はまだモノトーンの世界だが、マーケットには春の花の姿もちらほら出回ってくる。新年の挨拶をかねて、花束と一緒に親しい方を訪ねたい。
ツバキ 白玉
Camellia japonica ‘Shiratama’
邪気を払ってくれる花木は、無邪気な白で。
科名/ツバキ 原産地/中国、朝鮮半島、日本。12〜4月に出回る。厳しい寒さのなかで咲き誇るツバキは、生命力を表す木でもある。寺社に植えられているほか、庭木としても親しまれている。観賞用だけでなく、薬用や食用として利用されることも。「1月も後半になると春の花が並び始めるので、その前にワンクッション。まだお正月気分が残る間に贈りたい。雪に映える赤もいいですが、新年はまだいろんな意味で色がついていない時季だと思うので、ぜひ白玉で。抱負を添えるのもいいかもしれません」
科名/ツバキ 原産地/中国、朝鮮半島、日本。12〜4月に出回る。厳しい寒さのなかで咲き誇るツバキは、生命力を表す木でもある。寺社に植えられているほか、庭木としても親しまれている。観賞用だけでなく、薬用や食用として利用されることも。「1月も後半になると春の花が並び始めるので、その前にワンクッション。まだお正月気分が残る間に贈りたい。雪に映える赤もいいですが、新年はまだいろんな意味で色がついていない時季だと思うので、ぜひ白玉で。抱負を添えるのもいいかもしれません」
スイセン
Narcissus
春のきざしを届ける、香りよき一房。
科名/ヒガンバナ 原産地/ヨーロッパ、地中海沿岸。中国語で水の精を意味する漢字、水仙がそのまま日本語にもなった、水辺を好む球根植物。「こちらもツバキに続いて、ペーパーホワイトなど副花冠も白い白房スイセンを。香りが甘く爽やかでとてもいいんです。寒いと体が閉じてしまうけれど、1月になると春に向かって、だんだん開いていく準備に入ります。そういうときによい香りを届けて、ギュッと固くなっていた体と心をほぐしてもらえるといいなって。そういうプレゼントです」
科名/ヒガンバナ 原産地/ヨーロッパ、地中海沿岸。中国語で水の精を意味する漢字、水仙がそのまま日本語にもなった、水辺を好む球根植物。「こちらもツバキに続いて、ペーパーホワイトなど副花冠も白い白房スイセンを。香りが甘く爽やかでとてもいいんです。寒いと体が閉じてしまうけれど、1月になると春に向かって、だんだん開いていく準備に入ります。そういうときによい香りを届けて、ギュッと固くなっていた体と心をほぐしてもらえるといいなって。そういうプレゼントです」
アネモネ
Anemone coronaria
春の訪れを告げる花は、こっくりとした色を。
科名/キンポウゲ 原産地/地中海沿岸。ヨーロッパでは“風の花”と呼ばれ、朝、太陽が当たると開き、夜は閉じることから、復活と永生を象徴するといわれる。「春の代名詞のような花です。1月も後半になると春に向かっていきます。一重咲きもかわいいのですが、最近、八重咲きもよく見かけます。ダブルパステルなどちょっと変わった品種で春の訪れを寿いでみては。とはいえ、まだまだ寒いので、ピンクなど明るい色より、パープル系の落ち着いた色彩のほうが、この季節の情緒に合います」
科名/キンポウゲ 原産地/地中海沿岸。ヨーロッパでは“風の花”と呼ばれ、朝、太陽が当たると開き、夜は閉じることから、復活と永生を象徴するといわれる。「春の代名詞のような花です。1月も後半になると春に向かっていきます。一重咲きもかわいいのですが、最近、八重咲きもよく見かけます。ダブルパステルなどちょっと変わった品種で春の訪れを寿いでみては。とはいえ、まだまだ寒いので、ピンクなど明るい色より、パープル系の落ち着いた色彩のほうが、この季節の情緒に合います」
エピデンドラム
Epidendrum radicans
お菓子みたいにきれいな、かすかに黄色いラン。
科名/ラン 原産地/中央アメリカ、南アメリカ。すらりとした長い茎の先に小さな花がボール状に咲いていく。花弁と萼は形も色も同じ。連続開花性に優れていて、花持ちがよく平均2週間程度、楽しめる。「私が選んだのはクリームイエロー。春一番の花はタンポポや菜の花など黄色が多いのですが、まだ少し早いので、黄色みを帯びた優しい色を。ほんのりピンクが混ざっているのも恥じらっているようでかわいいです。1本だけでも華やかですし、こんもりさせたければ3、5本を合わせて」
科名/ラン 原産地/中央アメリカ、南アメリカ。すらりとした長い茎の先に小さな花がボール状に咲いていく。花弁と萼は形も色も同じ。連続開花性に優れていて、花持ちがよく平均2週間程度、楽しめる。「私が選んだのはクリームイエロー。春一番の花はタンポポや菜の花など黄色が多いのですが、まだ少し早いので、黄色みを帯びた優しい色を。ほんのりピンクが混ざっているのも恥じらっているようでかわいいです。1本だけでも華やかですし、こんもりさせたければ3、5本を合わせて」
平井かずみ Kazumi Hiraiフラワースタイリスト
草花が身近に感じられる、暮らしに根付いた日常花を提案。東京・恵比寿のアトリエ「皓SIROI」を拠点に、日本全国で花の教室をはじめとしたワークショップや展示を開催。著書に『あなたの暮らしに似合う花』『花のしつらい、暮らしの景色』(ともに扶桑社)など。
illustration : Shinji Abe (karera) edit & text : Wakako Miyake
参考文献:『花屋さんで人気の469種 決定版 花図鑑』(西東社)、『花の名前、品種、花色でみつける 切り花図鑑』(山と溪谷社)