Good for Me 編集部が出合ったベターライフ。
暑さがほどける音楽/MUSIC FOR BETTER LIFE #8 July 2025July 01, 2025

苦手な夏を乗り切るために。
毎月、季節に合ったプレイリストを紹介しているこの連載。担当の松﨑が今月は特集制作でてんてこ舞いのため、ゲスト選曲家にプロダクトディレクターでモデルの松本有未さんをお迎えしました。ご近所さんです。
Q1.今回の選曲テーマを教えて下さい。
「暑さがほどける音楽」です。私は夏が苦手で、「夏だからテンションが上がる曲を聴こう」という気分にもあまりならなくて。まとわりつく暑さがほどけていくような音楽を選曲しました。軽やかさ、みずみずしさ、そして光を感じるような、そんなイメージです。
爽やかな朝から気温の上がる昼、そして落ち着いてくる夜……と、夏の一日をなぞるような曲順にしてみました。アンビエントやインストも多いので、読書をしながら聴くのもいいんじゃないかなと思います。
Q2.プレイリストの曲について教えて下さい。
1曲目はオランダ出身ながらエキゾチックなサウンドを奏でるバンド・YinYinの「Nata Ni Thlae」。1分にも満たない短い曲でサクッとスタートすることにしましたが、プレイリストを最後まで聴いたらまたこの曲に戻って、何度も聴いてもらえたらと。
9曲目もまたオランダのアンビエントアーティスト、Rindert Rammers。映画「万引き家族」や吉村弘など、日本の作品にインスピレーションを受けて制作をしているそうで、この曲も「Summer in Shibuya」と名付けられています。
11曲目は2019年リリースのSTEVE HIETTのアルバム「GIRLS IN THE GRASS」から。短いインストですが、ナイーブでクリーンで、夏のキラキラした情景が凝縮したような曲です。
19曲目は日本の作曲家・ピアニスト、盛岡夕美子の1987年のアンビエントアルバムから。宮下智名義でアイドルへの楽曲提供も行ってきた商業作曲家でありながら、こんな素敵な作品を残されていたことを最近知りました。
最後は坂本龍一の「koko」。数ある坂本龍一作品のなかでも、きっとテーマに合う曲じゃないかと思います。

Q3.新しい音楽との出合い方を教えて下さい。
そのときそのとき、サブスクで耳にしたものや人に勧められたものが多いですが、カセットテープが好きで集めています。自分が運営するギャラリー用に作ったこともありました。チープな質感とアナログ的な行為が好きで、懐かしい気持ちになります。
レコードショップにもたまに行きます。最近では『Kankyo Records』で素敵な作品にたくさん出合って、今回のプレイリストでも選曲しました。
それと、ボサノヴァギターを習い始めました!ブラジル音楽には明るくないので、これから勉強していくのが楽しみです。
Q4.近況やこれからの活動予定など、お知らせをどうぞ!
これまでお香〈うつろひ〉など暮らしまわりのプロダクトをプロデュースしてきたのですが、ついにお店を持つことになりました!
オープンは今年の秋、10月頃を予定しています。場所は横浜、桜木町と関内の間です。詳細はこれからですが、インスタグラムでお知らせしていく予定です。
月替わりの企画展と、常設ではライフスタイルにまつわるプロダクトを販売します。ぜひいらしてください!
もうひとつの生業、モデル業はこれまでフリーでしたがAMAZONE所属になりました。こちらもよろしくお願いします。
運営に携わる『gallery nagu』では、主催企画ではありませんが、9月に詩人の方の展示を予定しています。

松本有未プロダクトディレクター
神奈川・三浦のアートギャラリー『gallery nagu』を運営する傍ら、プロダクトやパッケージデザインのプロデュースを行う。ディレクションを手がけるのはインセンスや茶、雑貨に音楽も。モデルとしても活動。
編集部員によるリレー連載「Good for Me. 編集部が出合ったベターライフ」。ファッションや日用品、おいしいおやつ、旅先で見つけたもの…など、時には極めて私的な視点でお届けする編集部員のオススメはこちらから。
Editor 松﨑 彬人
