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仙台でいつかは、ずんだシェイクを。 写真と文:江本祐介 (ミュージシャン) #3August 19, 2025

自分が住んだことのない街で最も多く足を運んだ場所は、おそらく仙台だろう。

初めて行ったのはいつだったろうかとiPhoneの写真を漁ってみると2017年4月、誘いを受けライブしに行った時だった。その後も仙台に住むイベンターの方に何度か誘ってもらい、社交ダンスをやるようなダンスホールや駄菓子屋なんかでも演奏した。

仙台でいつかは、ずんだシェイク。 写真と文:江本祐介 (ミュージシャン) #3

初めて行った時にはどんな場所かも調べずになんとなくフラッと訪れたが、駅の西口にはとんでもない長さのアーケード街があり、新旧たくさんのお店が入り混じっていた。休日には多くの人が行き来するのを見て、それだけであっという間に大好きな街になった。ライブで来る時は何泊かして、そのアーケード街を散策した。最新の洋品店やゲームセンター、チェーン店もあれば昔ながらの喫茶店や飲食店などもあり、ここに来れば欲しいものすべてが揃うんじゃないかと思えた。

その後、〈ロロ〉という劇団の音楽を担当することになり、その作品のテーマが「ドライブ・東北」だったので、フィールドワークを兼ねて劇団の三浦直之さんと、ライターのもてスリムと3人で車で東北を巡った際にも仙台を訪れた。ちょうどその時はアーケード街で仙台・青葉まつりをやっていて、まともに歩けないぐらい人が溢れかえっていたのを鮮明に覚えている。〈ロロ〉の仙台公演中に、どうしても欲しいCDがあり、会場から地下鉄に乗って『仙台PARCO』のタワレコまで買いに行ったこともあった。

仙台市のマンホール。仙台でいつかは、ずんだシェイク。 写真と文:江本祐介 (ミュージシャン) #3
仙台市のマンホール。

それからも、ただ旅行に行きたいと思ってなんとなく向かった先は仙台だったし、何か理由があるわけではないが、とにかくこの街には強い魅力を感じている。

つい先日も、最近趣味でハマっているポケモンカードの大きな大会が「夢メッセみやぎ(みやぎ産業交流センター)」で行われるので、それに出場するために前乗りして向かった。出場した大会はあっという間にボロ負けして日が暮れる前には駅へと戻り、ひとり帰りの新幹線を待つ間に駅中の『パスタハウス トライアングル』という店のあさりスープパスタを食べた。人生で食べたパスタの中で1番おいしかった。

『パスタハウス トライアングル』のあさりスープパスタ。仙台でいつかは、ずんだシェイク。 写真と文:江本祐介 (ミュージシャン) #3
『パスタハウス トライアングル』のあさりスープパスタ。

こうして仙台のことを書いているうちにまた僕はあの街に行きたくなっている。そして毎回飲み忘れてしまう、ずんだシェイクに想いを馳せている。


ミュージシャン 江本 祐介

江本 祐介
えもと・ゆうすけ/ミュージシャン。埼玉県出身。2025年2月22日に1st album 『ありがとう』をリリース。ENJOY MUSIC CLUBのメンバーとしても活動中。

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