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ペルーの中華街の肉まん、「ミンパオ」のレシピ。写真と文:按田優子 (『按田餃子』 店主) #4October 31, 2025
昔、ペルーの首都、リマの中華街にとびきりおいしい肉まんがありました。
リマといえば、独創的なレストランが立ち並ぶ世界中が注目する都市ですが、そのエリアとは離れた場所に、昔ながらの問屋街がある一角があります。そこに小さな中華街があるのですが、とびきり面白い場所で、ペルーに行くたび、時間を見つけては訪れていました。ペルーの中華料理は、「チファ」と呼ばれる独自ジャンルで、なんというか、盛り付け含め、すごく独特な仕上がりになっています。
エビチリ、チャーハン(現地では、「チャウファ」といいます)、酢豚などお馴染みの料理が、すごく新感覚な仕上がり。その中でも、とびきりおいしい肉まんを売る店があって、いつも大行列でした。そこはレストランになっていて、店頭にチャーシューやエッグタルト、月餅(のようなもの)が並んでいるのですが、みんなの目当ては肉まん一択。とにかくボリューム満点で、味の組み立てが素晴らしい! また行きたいなと思っていたら、残念ながらなくなってしまい、ゲーム関連の雑貨店に変わっていたのです。古めかしいお店だったので、だんだん街にそぐわなくなってきてしまったのでしょうか。とても残念です。

今回は、そのお店の味を皆さんに紹介したいと思います。「ミンパオ」という名前の食べ物でした。
具は、やや甘いチャーシュー(ペルー仕様)の切れ端に、蒸し鶏の切れ端、そしてゆで卵です。
食べる部分によって出てくる具が違うので、とても楽しいのです。今回は、近所のスーパーで買ってきた総菜で作ってみました。

そうです、肉まんを作ってみたいけれど、餡も生地も一から作るのはハードルが高い! という方に朗報すぎる作り方なのです。
スーパーに行ってみると、チャーシューの切れ端、塩だれの焼き鳥、金時豆の煮豆(甘さを補いました)があったので、冷蔵庫に残っていたゆで卵と合わせて、具の準備は完了です。
生地は、とても適当に作ります。小麦粉を使う生地作りは、「計量が面倒」という印象がありますよね。でも、ミンパオは大丈夫です。
ボウルに薄力粉、ドライイースト、水を入れて天ぷらの衣くらいの硬さのドロドロした生地を作ります。ドライイーストの分量はどのくらいでも大丈夫。もし家に酒粕があれば、ドライイーストの代わりに酒粕でもOKですし(発酵まで時間がかかります)、酵母液のようなものを持っていれば、その液体に小麦粉を入れれば大丈夫です。
そのドロドロした生地を数時間置いておきます。表面に気泡が上がってくるまでという感じです。ドライイーストなら1時間くらいでしょうか。きっちりでなくても大丈夫なので、6時間くらいほったらかしでも問題ありません。その液体に砂糖(好きなだけ)、油(ちょっと入れると、しっとり歯切れが良くなります)と、薄力粉を加えてよく練り、包みやすそうな硬さに調節します。
ちょっと洗い物などしながら30分くらい生地を寝かせ、具をたっぷり包んで15分程度蒸したら、できあがりです。具を包んだ後に、二次発酵などはしなくても大丈夫です。一番初めに作ったドロドロの生地にしっかり気泡ができていれば、必ず膨らみます。

とても簡単でおいしいので、是非作ってみてください!
『按田餃子』 店主 按田 優子



















































