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最中には、アッサムストレートティーを。写真と文:大西進 (『teteria』主宰) #1October 07, 2025

今も昔も最中に夢中です。

「秋に飲みたい、おいしい紅茶とおやつ」を4回にわたって紹介します。

ずいぶん前ですが、「おいしい最中」を知るために、“最中マラソン”と名付けて、有名無名問わず、手当たり次第に食べ、そのデータを蓄積していきました。数年して無事に最も好きな最中と、そのおいしさの理由に辿り着き、マラソンを終了しゴールしました。

最中にはアッサムストレート。写真と文:大西 進 (『teteria』店主) #1 東京・神保町にある『御菓子処さゝま』の「松葉最中」。
東京・神保町にある『御菓子処さゝま』の「松葉最中」と、アッサムのストレートティー。

最中を食べる傍らで、同じ数だけ紅茶を合わせてきました。最初は煎茶を合わせたこともあったのですが、紅茶に切り替え、結果的にアッサムのストレートティーが双方の魅力を押し上げて、晴れて正式なパートナーになりました。アッサムのストレートティーは渋みが強く、しっかりした味で、“モルティー”と呼ばれる麦芽のような香りがほのかにします。

その渋みはあんこの甘さを心地よく切り、綺麗にリセットしてくれるので、次の一口をまっさらな状態で始められます。まるで初めて食べたかのような感動を何度も繰り返し味わい、いつしか最中は手から無くなってしまうのです。最中と温かいストレートティーの組み合わせが好きです。アッサムは茶葉大きめで、しっかり味を選んでいます。

最中にはアッサムストレート。写真と文:大西 進 (『teteria』店主) #1『中里菓子店』の「揚最中」。
『中里菓子店』の「揚最中」と、ミルクティー。

同じ最中でも、東京・駒込の『中里菓子店』の「揚最中」は塩が効いてるので、ここはミルクティーで迎えにいきたいところです。塩とミルクとあんこの甘さが渾然一体となり、美しく昇華していきました。

edit:Sayuri Otobe


『teteria』主宰 大西 進

大西 進
おおにし・すすむ/1976年、群馬県生まれ。大学卒業後、紅茶専門店勤務を経て、2005年に紅茶を中心とした茶葉の卸販売と、紅茶の楽しさを伝える教室やwebショップ、紅茶メニューの開発などを行う紅茶屋『teteria(テテリア)』を始める。現在は、静岡県在住。著書に『紅茶の絵本』(ミルブックス)など。

instagram.com/teteria.onishi

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