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祖母の味を思い出す、具だくさんのすいとん。写真と文:仁平里帆 (主婦) #4March 23, 2026

春の陽気に胸を躍らせながら、4歳の息子と一緒に近所のおばあちゃんたちが営む直売所へ。

挨拶から始まり、野菜を選びながら他愛もない話をする。息子はおばあちゃんからお茶菓子をもらって嬉しそうに頬張る。この一連のやりとりは、幼少期の私と祖母との記憶を思い出させてくれる。

おばあちゃんたちには、いつまでも元気でいてほしい。そんなことを思いながら、子どもの頃によく祖母が作ってくれたものを、久しぶりにこしらえてみることに。

祖母の味を思い出す、具沢山のすいとん。写真と文:仁平里帆 (『からだと心整う台所ごよみ365日』著者) #4切った野菜はざるにのせる。
切った野菜はざるにのせる。

買ってきた白菜や人参、大根、そして家にあった玉ねぎときのこを一口大に切って鍋で煮込み、火が通ったところで小間切れ肉と醤油を加えてさらに煮込む。

祖母の味を思い出す、具沢山のすいとん。写真と文:仁平里帆 (『からだと心整う台所ごよみ365日』著者) #4具だくさんの野菜に火が通ってきた様子。
具だくさんの野菜に火が通ってきた様子。

煮込んでいる間にすいとん粉(小麦粉)を同量の水で練っておく。

祖母の味を思い出す、具沢山のすいとん。写真と文:仁平里帆 (『からだと心整う台所ごよみ365日』著者) #4ボールにすいとん粉と水を入れて箸で練る。
ボウルにすいとん粉と水を入れて箸で練る。

野菜に醤油の味が染みたのを見計らい、練ったすいとん生地をスプーンを2つ使って一口大の大きさで鍋に落としていく。ぷりっと火が通るまで見守れば出来上がり。

祖母の味を思い出す、具沢山のすいとん。写真と文:仁平里帆 (『からだと心整う台所ごよみ365日』著者) #4出来たてのすいとん。
出来たてのすいとん。

お椀によそって食べるのが主流だが、私はこのまま保温ジャーに入れてお弁当にもする。

体がぽかぽか温まるし、しっかり食べ応えもある。

滋味深くて、ほっとする味。幼少期の頃の私を包み込んでくれた祖母を思い出し、胸が温かくなる。

日常の中にはたくさんのメッセージが潜んでいて、それにどのくらい純真に気づいていけるかが大事だと感じる毎日だ。

recipe
すいとん

材料(1人前)
(すいとん)
すいとん粉(小麦粉)…100g
水…100cc
※食べる量によって調整してください。

(汁)
昆布…適量
水…500cc〜
大根…1/4本
白菜…1/6玉
人参…1/2本
玉ねぎ…1玉
しめじ…1/2袋
椎茸…2〜3個
牛小間切れ肉(豚でも)…150g〜
みりん…大さじ1
醤油…適量(味をみながら自分好みに調整してください)
塩…適量

〈作り方〉
1. あらかじめ昆布を水に浸しておく。大根、白菜、人参、玉ねぎ、しめじをなるべく同じ大きさになるように意識しながら一口大に切る。
2. 鍋の中に1を入れて野菜に火を通す。昆布が柔らかくなってきたら、うすく千切りにして鍋に入れる。
3. 野菜にある程度火が通ったら、小間切れ肉を入れて火が通るまで煮込み、みりんと醤油と塩で味付けをして軽く煮込む。
4. ボウルにすいとん粉と水を入れて粉っぽさがなくなるまでしっかり練りあわせ、スプーンですくって鍋の中に一口大の大きさで落とし入れ、中火で5分程煮る。つやつやぷりっとしたら出来上がり。


主婦 仁平里帆

仁平里帆
にへい・りほ/1990年生まれ、埼玉県出身。古家具屋を営む夫と、4歳の息子と共に栃木県益子町の自然豊かな里山で暮らす。二十四節気や七十二候、月の満ち欠けといった暦を手がかりに、台所からうまれる景色や、日本の素朴な美しさを大切にしている。著書に、『からだと心整う 台所ごよみ365日』(エクスナレッジ)。

instagram.com/_______aun

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