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電線愛好家。 連載コラム : 石山蓮華 #1January 06, 2025
電線愛好家と名乗って、電線を愛でている。
電線とは、発電所から家や建物まで電気を行き届かせ、街の血管としてみなさんの生活を支えるインフラだ。
その電線を写真に撮り、電線の魅力について書いたりしゃべったりするのが愛好家としての主な活動だ。そのほか、電線の工場や工事現場の取材をしたり、電線にまつわる本を書いたりもしている。
街を歩けば誰もが必ず目にしているにもかかわらず、電線の魅力をとらえ、言葉にしている人はまだ多くない。しかし、電線は見れば見るほどおもしろく、意外と飽きない。
小学生のときに「電線って生き物っぽくてかっこいい」と思ってから20年以上経った。
とはいえ、私が電線について書いたりしゃべったりするようになってからまだ8年くらいだ。
今もしょっちゅう「電線のいいところ」を自問自答している。
電線はどこまでいっても寡黙なので「私のチャームポイントはここです」と語ってくれない。ちなみに私はこの寡黙さも好きである。
まず電線鑑賞は、いつでもどこでも無料で楽しめる。
同時に、ところ変われば見た目も変わるのが電線鑑賞の魅力だ。国内であっても、電力会社によって電線の布設の細かなルール、使われる資材に少しずつ違いがある。
次回は私がここ一年以内に出合った国内外のいい電線を紹介します。
photo:Renge Ishiyama edit : Sayuri Otobe
電線愛好家、文筆家、俳優 石山蓮華
1992年生まれ。TBS ラジオ「こねくと」(毎週月〜木曜日14:00〜17:30放送)メインパーソナリティ。電線愛好家として『タモリ倶楽部』などのメディアに出演するほか、日本電線工業会公認「電線アンバサダー」としても活動。著書に『犬もどき読書日記』(晶文社)、『電線の恋人』(平凡社)。