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山の暮らし 都会の暮らし。河井菜摘 #1December 02, 2024

多拠点生活を始めてもう10年目になる。

鳥取の山の家をインスタグラムを通じて買うことにり、そちらの暮らしをスタートしたのがきっかけだった。鳥取に引っ越したらフリーになって動き始めたばかりの修理の仕事が少なくなるかもしれないと危惧して京都にも場所を残した。多拠点って面白いなと思い鳥取に移住した翌年には東京の拠点も借り、今では隔週で鳥取、京都、東京と移動し金継ぎ教室を開講しつつ各地で修理の依頼品の相談を受けたりしながら、教える仕事となおす仕事をつづけている。

10年前は物珍しがられたものだけど、コロナ禍になってから多拠点生活の人はずいぶん増えたように感じる。移動はもう私の人生の一部になった。

明日はまた移動日で、そうなると鳥取の暮らしを一旦閉じるみたいな作業が必要になる。冷蔵庫の野菜は使い切り、食べきれなかった果物は移動先に持って行く。修理の仕事は一通りキリのいい工程まで進めたい。1週間分の洋服を選び、パッキングして、自然光が出てる間にSNSに使う写真の撮影を済ませる。あれやこれやを片付けてお風呂に入るともう全部手をつけなくていい解放されたような気持ちになる。

お風呂から上がったら京都と東京にいる日のスケジュールに行きたい展示やお店を書き込んでいく。

また明日から移動。1週間後にはまたこちらに戻ってくる。慌ただしくてもっとここにいたいと思うのと同時にいつもどこか別の場所に行きたいとも思っている。

山の暮らし 都会の暮らし 河井菜摘
鳥取の家の窓から見える風景。新緑の季節は緑がうんと濃くなり、冬の季節は雪景色になり季節ごとに景色が変わる。
山の暮らし 都会の暮らし。河井菜摘 #1
鳥取から関西へ向かう特急スーパーはくとの車内。

edit: Sayuri Otobe


修復家 河井菜摘

1984年大阪生まれ。京都市立芸術大学、大学院にて漆工を学び、2015年に独立。漆と金継ぎがメインの修復家として活動。 陶磁器、漆器、竹製品、木製品など日常使いのうつわから古美術品まで1000点以上の修復を行う。 Instagramをきっかけに購入した鳥取の山の家で過ごしながら、京都・東京・鳥取の3拠点生活を送る。

kawainatsumi.com

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