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ワインのはなし。だれと飲むか、どこで飲むか。連載コラム : 山口萌菜 #4February 27, 2025
2年前の夏、パリに2週間ほど滞在した。
毎日22:00くらいまで明るい街で、ピンクに染まる空を眺めながら飲むワインはたまらなくおいしかった。
昼間は日差しが強く痛いくらい。それでも、夕方を過ぎると東京と違って涼しく気持ち良くなってくる。店内はガラガラなのにテラス席が満席なお店ばかりで、とどまることを知らないおしゃべりに一生懸命になっている。
滞在中の2週間は毎日いろんな店に行った。
キビキビ動くサービスマンを目で追って、合図を送る。こちらが積極的にうまくコミュニケーションを取れば、親切にしてくれるお店ばかりでそのイーブンな関係が気持ちが良い。
パリで働く友人が、まだワイナリーを立ち上げたばかりの若い生産者が集まる試飲会に連れて行ってくれた。活き活きと熱量をもって説明してくれる生産者ばかりで私の目もギラギラに輝いて興奮したのを覚えている。
この2年前のパリ滞在は、弊店のロゴをデザインしてくださったデザイナーチームと現地で合流させてもらった。
日本で、“ヴァンナチュール”と呼ばれるワインに最初に触れたのもデザイナーご夫婦との食卓。いつも食への情熱と楽しみを共有させてもらっている。
興味のあるワインを選び、興味のある食事を選び、見たことのない料理に挑戦し、同じ方向を向いてくださった2人がいたからこその楽しい2週間だった。少食の私1人ではこんな経験はできていない。写真はパリで飲んだワインの一部。
だれとどこでどんなワインを飲むか。
その全部がワインを作っている。
目の前のワインをもっと楽しくもっと魅力的に生きた存在になるように。
ワインを扱う店の者の1人として、毎年表現力が肉付いていきますように。
『Cyōdo』オーナー 山口萌菜

1996年4月4日生まれ。ヨーロッパの文化に親しみのある家庭で育ちピアニストを目指していたが、上京後に元々大好きだった食の世界にのめり込む。イタリア料理、ポルトガル料理、和食、フレンチビストロで働いたのち2020年に『Cyōdo』を開業する。





































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