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私のボサノバのはじまり。 TBSアナウンサー・吉村恵里子 #2March 12, 2025
私がギターを始めたのは13歳、ボサノバを始めたのは18歳です。幼い頃から、コントラバスを弾いている父をそばで見ていたため音楽はとても身近な存在でした。今も心が落ち着く瞬間は歌やギターに触れている時です。
ボサノバを始めたきっかけは「声の響きが向いている」と父の勧めからでした。小野リサさんの"ギターを持って歌うスタイル"に憧れ、学生時代は何曲も真似てライブで歌っていました。
小野リサさんは、中音域のささやくような声(ウィスパーボイス)、肩の力が抜けるような優しいハーモニーで聴く人を癒します。軽快なリズムが疲れた心をも軽くしてくれる“魔法の声”の持ち主です。

TBSに入社して以来、毎年夏に『BLUE NOTE TOKYO』で開催される小野リサさんのライブに行きます。
私が“大”の小野リサさん好きと聞いた会社の先輩が、誘ってくださったのがきっかけです。ですので、小野リサさんの歌声を生で聴かないと夏が始まりません。
そんなライブの日は “ブルー”と“夏のライブ”をイメージして、水色のワンピースを着て行きます。小野リサさんの視界に入らないかな、なんて期待しながら同じワンピースを。

2023年に小野リサさんのライブで「マシュ・ケ・ナダ」を観客が総立ちで歌うという貴重な機会がありました。
「えっ立ち上がってもいいの?」と、びっくり! 『BLUE NOTE TOKYO』は飲食と音楽を楽しむ上質なコンサートに近いものだと思っていたため、観客が自ら立ち上がって皆で大きな声で合唱だなんて信じられませんでした。
青山の地下で大勢の大人が体を揺らして口ずさみ、小野リサさんの歌と観客の声が一体になったあの瞬間が忘れられません。耳も目も幸せすぎる高揚感で満たされた会場でした。
このような素晴らしいライブのあとは非常に興奮し、感化されます。プロの演奏を聴いて自分たちもアウトプットをしたくなり、ライブのあとは毎回、赤坂のスナックに移動。満足するまで歌ってギターなんかも弾いちゃって。最高のひと時でした。
夏にはぜひみなさんも、ライブで体を揺らしながら歌いませんか。
edit : Sayuri Otobe
TBSアナウンサー 吉村恵里子
