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ずっと変わらないモノ。『ISETAN HOME ESSENCE』バイヤー / HABICHT Inc. 代表・松岡歩 #2March 10, 2025

私にとっての“豊かな暮らし”とは、なんだろうとこのコラムを書くにあたって考えた。

いろいろな幸せの形が昔よりは少しだけ許容されやすくなった時代に、豊かさとは何かと定義することは意外と難しい。

でも考え抜いた先はシンプルだった。

私にとっての豊かな暮らしとは「背景に浮かぶ情景や想いに共感できるモノと、同じ空間で共存しながら生活すること」。それに尽きるのだと気づいた。まっすぐな想いが感じられ、流行とは無縁の本質的な価値をもつモノを選び、そして好む。それは単に洋服やアクセサリーといった瞬間的に身に纏うモノだけを指すのでなく、自宅や事務所などの自分が長い時間を過ごす空間さえもそういったモノで揃えていたい。

ずっと変わらないモノ。&EYES連載コラム : 『ISETAN HOME ESSENCE』バイヤー松岡歩#2
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ずっと変わらないモノ。&EYES連載コラム : 『ISETAN HOME ESSENCE』バイヤー松岡歩#2

スリッパ1つにしてもそう。〈キルト〉というブランドのスリッパを愛用中。

デザイン性はもちろんのこと、作り手と使い手の交差点を作るというコンセプトに心惹かれた。

作り手はスリッパというものの先にいる使い手へ想いを馳せ、逆に使い手は作り手のことを想いながら使う。そんなシーンを、プロダクトを通して創造しようとする姿勢に共感する。そして大切に丁寧に生活の中に取り入れたいと思わせてくれる。

ずっと変わらないモノ / 〈キルト〉のスリッパ。 &EYES連載コラム : 『ISETAN HOME ESSENCE』バイヤー松岡歩#2

最近新しく購入したのが、イサム・ノグチの「AKARI」。

なかなかタイミングが合わず購入を見送っていたが、今回たまたま巡り合わせが重なって迎え入れることにした。

ずっと変わらないモノ / イサム・ノグチの「AKARI」。 &EYES連載コラム : 『ISETAN HOME ESSENCE』バイヤー松岡歩#2

唯一無二の形状と存在感、そして柔らかい光を部屋全体に放つ機能性を併せ持つライトは他に存在するだろうか。世界中で愛され大流行しているが、たとえその流行が収まったとしても自分の中での価値は下がることはないと感じている。ずっとこれからも自分の身の回りを優しく照らしてくれる存在であり続けるに違いない。

ずっと変わらないモノ / イサム・ノグチの「AKARI」。 &EYES連載コラム : 『ISETAN HOME ESSENCE』バイヤー松岡歩#2

もちろん洋服も買い続けている。〈ザ ロウ〉のレザージャケットは永く愛用することで静謐な美しさが現れるのが楽しみな一着。

一緒に時を重ねていきたいと思えるモノ、それは人それぞれ違うと思う。

何を好み、どんな生活を送るかは自由だ。自由だからこそ私の暮らしを、そして人生を彩ってくれるモノを選び取る強さを持ち合わせていたい。

edit : Sayuri Otobe


『ISETAN HOME ESSENCE』バイヤー / HABICHT Inc. 松岡歩

1993年生まれ。大学と服飾専門学校のWスクールを経て、『三越伊勢丹』に入社。入社から7年間メンズファッション領域に携わり、2024年から伊勢丹新宿店『ISETAN HOME ESSENCE』のバイヤーに。そして昨年、ブランディング・PR等を行う『HABICHT Inc.』を立ち上げた。

instagram.com/ayumumatsuoka

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