Event

「奈良美智: The Beginning Place ここから」が、青森県立美術館で開催。October 14, 2023

奈良美智《Midnight Tears》
※1 奈良美智《Midnight Tears》 2023年、アクリル絵具・キャンバス、240.5 x 220cm、作家蔵 ©Yoshitomo Nara

40年以上の創作活動を支える「一本の幹」を探して。

 2023年10月14日(土)から2024年2月25日(日)にかけて、青森県出身の美術家・奈良美智さんの個展「奈良美智: The Beginning Place ここから」が、青森県立美術館にて開催される。本展のテーマは、彼にとって転機となった東日本大震災から今日までの活動を見つめながら、40年以上続く創作を支える「一本の幹」を探すこと。旧作と近作が混じり合い、5つのテーマを柱に、過去と現在を行き来するような体験ができる展示構成になっている。

 近年多く手がけている大型作品からは、メインビジュアルに用いられている※1「Midnight Tears」(2023)や立体作品の新作※2「Ennui Head」(2022)、台湾の風景や人々を思い浮かべながら描いたという日本初公開の絵画※3「Hazy Humid Day」(2021)などを出品。どれも2mを超える大作で、実際に会場で迫力を感じてみてほしい。また、1980年代の初期作品が多数出展されるのも見どころ。初期の代表作※4「Merry-Go-Round」(1987)は、なんと20年以上ぶりの展覧会公開となるそうだ。さらに、奈良さんが学生時代に通い詰め、その後の創作に大きな影響を与えた弘前のロック喫茶『JAIL HOUSE 33 1/3』を、本人の記憶と関係者の証言をもとに再現した展示ブース※5〈ロック喫茶「33 1/3」と小さな共同体〉もユニークな試みのひとつ。 

 
 

※2 奈良美智《Ennui Head》2022年、ウレタン塗装・アルミニウム、243×257×149cm、作家蔵 ©Yoshitomo Nara
※2 奈良美智《Ennui Head》2022年、ウレタン塗装・アルミニウム、243×257×149cm、作家蔵 ©Yoshitomo Nara
※3 奈良美智《Hazy Humid Day》 2021年、アクリル絵具・キャンバス、220×195cm、作家蔵 ©Yoshitomo Nara
※3 奈良美智《Hazy Humid Day》 2021年、アクリル絵具・キャンバス、220×195cm、作家蔵 ©Yoshitomo Nara
※4 奈良美智《Merry-Go-Round》 1987年、アクリル絵具・キャンバス、130.3×130.3cm、個人蔵 ©Yoshitomo Nara
※4 奈良美智《Merry-Go-Round》 1987年、アクリル絵具・キャンバス、130.3×130.3cm、個人蔵 ©Yoshitomo Nara
※5 ロック喫茶「33 1/3」(弘前市)の前の奈良美智さん(右)と友人たち、1977年
※5 ロック喫茶「33 1/3」(弘前市)の前の奈良美智さん(右)と友人たち、1977年

 約200点にのぼる出品作品のうち、未発表の新作や初公開作品も数多く展示予定。震災以降、奈良さんは過去に意識を向けながら「自分の時間軸に一本の幹を見つけ」ようとしているという。およそ10年ぶりとなる当館での個展「奈良美智: The Beginning Place ここから」では、窓の外に広がる故郷の景色を背に、彼の創作活動の起源をきっと見つけられるはずだ。

EVENT INFORMATION

「奈良美智: The Beginning Place ここから」

会場:青森県立美術館
住所:青森市大字安田宇近野185
会期:2023年10月14日(土)〜2024年2月25日(日)*休館日は下記公式サイトを参照。
開館時間:9:30〜17:00(入館は16:30まで)
*ナイトミュージアム実施日は20:00まで開館(入館は19:30まで)

観覧料:一般 1500円 高大生 1000円 中学生以下無料
*前売券、団体料金、Webチケットなどで価格が変動。

Pick Up おすすめの記事

Latest Issue 最新号

Latest Issuepremium No. 126窓辺に、花と緑を。2024.04.19 — 930円