MUSIC 心地よい音楽を。

土曜の朝と日曜の夜の音楽。 今月の選曲家/武田カオリ vol.3February 21, 2020

February.21 – February.27, 2020

Saturday Morning

Title.
Feel You
Artist.
Julia Holter
天気もいいし今日はどこか外で朝ごはんを食べようか、となった日。パジャマを脱ぎながら、あれこれ食べたいものや行きたいお店を考えながら聴きたい一曲。LAを拠点に活動するジュリアですが、この曲はどこか懐かしく、私が子供の頃に憧れたアパレルブランドのTV・CMで使用されていたようなフレンチポップを追想させ、ゆえにほんのり甘酸っぱい気持ちにもなります。ご両親もミュージシャンであり、幼少期よりクラシック音楽の英才教育を受けていたという、環境からしても恵まれている彼女ですが、程よく力の抜けた歌声からは特に気負いも感じられず、冬の朝のすんと澄んだ空気とよく馴染むサウンドです。
アルバム『Have You in My Wilderness』収録。

Sunday Night

Title.
4:30 Am
Artist.
Solveig Slettahjell
ノルウェイのジャズシンガー、スールヴァイグ・シュレッタイェルが自身初めての弾き語りを中心にリリースしたアルバムの中の一曲。歌に寄り添うような語りすぎないピアノが、より一層曲の美しさを際立たせています。あまりジャズに馴染みのない方でも、一シンガーソングライターの作品として楽しめる内容です。私はといえば、このアルバムがリリースされた2007年、子供を産んだばかりで家事に育児に仕事に奔走する日々。正直どう乗り切ったのか今や覚えてはいませんが、スールヴァイグの子守歌のような優しい眼差しの詞と調べとともに、夜はなんとか頭と体を休めて夢の中へ沈んでいました。子育ての悲喜こもごもをそっと包んでくれた思い出の曲です。
アルバム『Domestic Songs』収録。



&Music / 土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ

&Music / 土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ

音楽好きの“選曲家”たちが月替わりで登場し、土曜の朝と日曜の夜に聴きたい曲を毎週それぞれ1曲ずつセレクトする人気連載をまとめた「&Music」シリーズの第2弾。 23人の選曲家が選んだ、週末を心地よく過ごすための音楽、全200曲。 本書のためだけにまとめた、収録作品のディスクガイド付き。

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歌手 武田 カオリ

1999年にギタリスト石井マサユキとのユニットTICAを結成。2000年にカバー集『No Coast』でデビュー。以降TICAとして多数のアルバムを発表。東京スカパラダイスオーケストラのベーシスト川上つよしが率いる「川上つよしと彼のムードメーカーズ」に参加。2019年10月に Pepe California+TAKEDA KAORI名義で5曲入りMini Album『Take Me Down』をリリース。

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