MUSIC 心地よい音楽を。
シンガーソングライター、ギタリスト Mei Semonesさんが選ぶ土曜の朝と日曜の夜の音楽。vol.5May 30, 2025
May.30 – June.05, 2025
Saturday Morning

この『João Gilberto in Tokyo』のアルバムは今週見つけたばかりですが、とても気に入っています。「Doralice」は他のレコーディングバージョンをいくつか聴いた事がありますが、このバージョンを今週初めて聴いて、曲の魅力に改めて気付いたように感じました。コードもメロディーも明るくて、聴いていて楽しい気持ちになります。このバージョンで特に気に入っている所は、曲の最後の方、2:56ぐらいの即興ヴォーカルと、その直後のギターのコードです。ギターがヴォーカルに応えているように聴こえて、とても興味深いです。天気が良く、暖かくなってきたので、この朗らかな曲は、土曜日の朝に聴くのにちょうど良いと思いました。
アルバム『João Gilberto in Tokyo』収録。
アルバム『João Gilberto in Tokyo』収録。
Sunday Night

「Monk’s Mood」はずっと前から大好きな曲です。今週やっとこの曲を学ぶ時間ができて、とても嬉しかったです。メロディーとコード、両方とも面白くて、モンクの曲の中で特に気に入っています。ピアノ演奏なので、ギターでは弾きにくいところも多いですが、逆にそういうところが面白いと思います。ギタリストだと普段思いつかないようなフレーズやヴォイシングを学べます。このレコーディングバージョンは、コルトレーンの演奏も入っていて、最高な組み合わせです。メロディの2順目の前に、コルトレーンのサックスの演奏が入ってくる瞬間は、とても心に響きます。二人の演奏は本当に特別だと思います。この曲を聴くと、心が安らぐと同時にインスパイアされるので、忙しい一週間が始まる前、日曜日の夜に聴くのがちょうど良いと思いました。
アルバム『Thelonious Monk with John Coltrane』収録。
アルバム『Thelonious Monk with John Coltrane』収録。
シンガーソングライター、ギタリスト Mei Semones

アメリカ・ブルックリン在住のソングライターでギタリスト。インディー・ロック、ボサノヴァ、ジャズ、チェンバー・ポップを融合させた卓越したギターのテクニックが際立つ斬新でパワフルな表現で、⼀躍注⽬されるアーティストに。2024 年にリリースされたEP『カブトムシ』は、豊かなサウンドやハーモニーを織り交ぜ、愛について様々なステージから想いを巡らせ、⾼く評価された。全⽶を精力的にツアーし、熱⼼なファンを獲得し、待望のデビュー・アルバム『アニマル』をリリース。タイトルの『アニマル(Animaru)』は英語の”Animal”の⽇本語読みで、⾃分の直感への深い信頼を表現。さらに、⾃分の弱さもさらけ出し、斬新で⾃⼰肯定感に満ちた、類を⾒ない曲を集めた作品となっている。メイ・シモネスのデビュー・アルバム『アニマル』は、2025 年5⽉2⽇〈Bayonet Records〉よりリリースされる。